車いすのレーサー青木拓磨選手が手動運転を指導
車いすでも、夢を諦めない……。車いすアイドルとして活躍中の仮面女子・猪狩ともかさん初主演の映画「リスタート:ランウェイ〜エピソード・ゼロ」(監督・脚本:帆根川 廣)が、インターネットでの配信を開始。9月20日に神奈川県横浜市の資生堂S/PARKで完成披露試写会が開催された。また、同作に出演している車いすのモデル・日置有紀さんも登壇した。
映画は、不慮の事故に遭い車いす生活を送ることになって、レーサーになる夢を断たれてしまった主人公の女の子「ヒナタ」。事故の後は自宅に引きこもり、レースゲームに明け暮れる日々。そんなある日、納屋に眠っていた古いスポーツカーと出会い、ヒナタの人生は動き出す、という内容だ。
主人公「ヒナタ」を演じる猪狩ともかさんも、不慮の事故によって下半身不随となり車いす生活となってしまったアイドル。作中に出てくるスポーツカー(マツダ・ロードスター)は特別仕様は、ハンデキャップを持つ人それぞれにあった架装を施すことで、どんな人でも運転が可能になることも紹介されている。
猪狩さんは両手が動くのでロードスターには、アクセルとブレーキを手で操作できる機構を搭載。実際に猪狩さんが運転に挑戦し、作品内で見事な走行を見せた。
さらに映画ではレーシングシーンもあり、その監修を担当したのは、ラリーやGTレースに参戦する車いすのレーシングドライバーとして知られる青木拓磨さんだ。
青木さんは元GP500ライダーだったが、練習中の事故で脊髄を損傷。半身不随となったが、今年の鈴鹿8耐を22年ぶりにバイクで走ったことが大きな話題となった人物。ハンディを持つ人でも運転可能な車両の開発や障害者の国内モータースポーツライセンス発給を可能にしたりと、全国各地で講演会や訴求活動を行なっている。また、本作で映画初出演。演技の仕上がりはどうだったのか……ぜひ確かめてもらいたい。
本格的なドライブシーンもこなした猪狩さんにとって、撮影中はクルマの運転に慣れる大変さのほかに、寒さと花粉症にも苦しめられたそう。「何度もメイク直しをしてもらいました」とはにかみながら撮影を振り返る。
ちなみにビューティーディレクションは、資生堂のトップヘアメイクアップアーティストが担当。完成披露試写会で主演の猪狩さんを起用してのヘアメイクアップショーも行われた。
「この映画を通して、車いすでも夢を諦めなくていいんだと思ってもらえたら。ぜひ、心のバリアフリーを考えていただいたり、バリアフリーな気持ちを拡げていってもらいたい」と猪狩さんは語っている。
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《作品詳細》
■キャスト
ヒナタ役:猪狩ともか(「仮面女子」)
茅野役:忍成修吾
ヒナタの母役:手塚理美
神栖役:大澄賢也
イツミ役:桜のどか
ナナ役:涼邑 芹(「仮面女子」)
アン役:楠木まゆ(「仮面女子」)
スミレ役:木下友里(「仮面女子」)
ヒナタの祖母役:馬戸場 礼子
ヒナタの少女時代役(写真の出演):星木エマ(「スリジエ」)
竹田役:松浦佑樹
渡辺役:青木拓磨
メミ役:日置有紀
■スタッフ
監督・脚本:帆根川 廣
プロデューサー:設楽盛也
題字:星野富弘
ビューティーディレクション:原田 忠(資生堂トップヘアメイクアップアーティスト)
スーパーバイザー:古賀俊輔
監督補:岩渕 崇
撮影:平野晋吾
録音:安光雪江
編集:帆根川 廣
ヘアメイク:石塚由香 / 門馬宏一 / 松井 怜 / 恩田 希 / 丸谷美樹
衣装:大石真未
美術:帆根川 廣
制作担当:松井 兼
スチール:池田尚史
レーシングシーン監修:青木拓磨
アソシエイトプロデューサー:勇太 / 渡邊常二