大手損保4社が保険料金値上げの動き
自動車保険料は非課税であり、もともと消費税がかかっていないので消費税が10%に上がっても保険料が上がるということはありません。そんななか、大手損保4社が2020年1月をめどに自動車保険料を3%程度値上げする方針を明らかにしました(10月1日現在、各社の値上げなし)。
気持的には「なんだかなぁ〜」という感じですが、割引制度やサービスなどを強化してユーザーへのアピールを強めて販売競争を乗り切ると報道されています。とはいえ「自動車保険料は非課税なのになぜ?」という思いがありますが、クルマの修理代には消費税がかかるので、ロスレシオが増加する。すなわち、収入保険料に対する支払った保険金の割合が増えるというわけで、各社とも値上げの動きとなったようです。
また、保険料の安さを売りに勝負をかけるインターネット系の損保は値上げなし。実際、ネット系損保の契約者は増加傾向で市場占有率は約10%と成長。テレビのCMでも頻繁に見かけるので、検討する人が増えるのは当然かもしれません。
一方、あいおいニッセイ同和損害保険は通信機能付きドライブレコーダーで運転状況を分析し、安全運転だった場合に保険料を最大8%割引。三井住友海上火災保険は2020年から、新車を買った新規顧客の割引率を約4年間、乗用車で約4割、軽自動車で約3割拡大することで各社は囲い込みをする動きも見られます。
さらに東京海上日動火災保険は、あおり運転被害を受けた際に、ドライブレコーダーを通じて警察に通報する特約(月650円)を新設。損害保険ジャパン日本興亜は自然災害の際、修理時の代車を利用しやすくするなど、新たなサービスを打ち出しています。
大手損保にとって、自動車保険は保険収入の半分を占めると言われているだけに、値上げは最小限にとどめながらサービス強化で優位に立ちたい狙いもありそうです。前述の10社近くあるネット系保険も値上げに関しては不透明。大手損保4社の動きをみてから、攻勢をかけてくるものと思われます。
ポイントは最新の安全装置が付いた自動車は安全性が高いだけでなく、保険料が安くなる場合もあります。愛車に付いている安全装置の機能をよく理解し、有利な割引になることをわかった上で契約するといいでしょう。
消費税10%による自動車保険の影響があることは事実。継続契約のタイミングなどを見直しの機会と考えて、再検討してみるのもいいでしょう。