運転中の携帯電話操作、罰則強化へ
スマートフォン(以下:スマホ)でカーナビのアプリを使ってドライブするという人は多いだろう。
通常のカーナビには必要な地図更新は不要だし、渋滞情報もリアルタイムで表示されるなど使い勝手がいいのはかなりの魅力だ。ただ、そもそもは携帯電話なので、カーナビとして使用するには当たり前だが固定する必要がある。じつは、この固定方法について注意が必要。「どこでもいいから見えやすいところに付ければいい」というものではなく、場合によっては違反になることもある。
まず絶対にダメなのが、フロントガラスへの貼り付け。車検のステッカーや点検のシール、場所を限定してのETCやカーナビのアンテナしか貼ってはダメ。なので、フロントウインドウに吸盤で貼るのは違反となるのだ。
さらに法律的な規定はないが、運転時の前方視界を極端に遮るような取り付け方も要注意。たとえフロントガラスでなくも、警察官の判断で取り締まられる可能性もある。たまに大型タブレットをインパネやダッシュボードの上に乗せているのを見かけるが、もし視界を遮っている状態であれば確かに危ない。
逆を言えば、インパネに貼り付けたり、エアコンの吹き出し口に取り付けるものであれば問題ないと言っていい。ただし、取り付ければいいというものではなく、使い方によっては違反になることもあるので注意。
そして、カーナビやテレビにも当てはまるのだが、運転中は操作したり、画面を注視してはダメ。注視はジッと見ることだが、規定というか解釈的には2秒以上が該当し、違反となる。つまり地図を確認するためにチラ見する程度なら問題はない。
また、運転中についても解釈があって、赤信号で止まっている状態は停車状態ということで運転中にはならない。実際に取り締まり中の警官に尋ねても同じことを言っていたが、なかにはクルマに乗ること自体すべてが運転中として取り締まりを受けた例もある。
とくに最近は信号で止まっている際にスマホをいじっていて、青になっても発進しないことが多く見かけるので、取り締まりを厳格化して停止中でも違反とする傾向にあるように思える。
なお、今年の5月にスマホなどを操作する「ながら運転」の罰則を強化した改正道路交通法が衆院本会議で可決・成立した。これは携帯電話を操作しながら運転し、事故を起こして危険をおよぼした場合に1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるというもの。たとえ危険がなくても「携帯電話使用違反」になり、6月以下の懲役刑となる。この規定は年内までに施行される予定だ。
いずれにしても、クルマを運転するならば、ゲームなんてもってのほか。スマホをイジることはしないほうがいいだろう。