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トヨタカローラという日本の大衆車 「80点主義+α」思考だった歴代モデルを振り返る

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: トヨタ/Auto Messe Web編集部

FRを採用した初代から4代目まで【前編】

 トヨタ・カローラは車名別世界生産台数1位をはじめ、日本国内販売台数累計1000万台(2015年)、世界生産台数累計4000万台(2013年)など、言わずと知れた数々のレコードを持つ大ベストセラー&ロングセラーカーだ。

 そんな輝かしい記録と50年以上の歴史を持つカローラは、2019年9月に12代目が登場。栄枯盛衰の激しい世界の自動車マーケットの中で、無類の販売実績を誇る歴代モデルを振り返ってみたい。

初代(1966年-1970年)

 1966年に誕生した初代カローラは、新車価格が43万2000円(大卒初任給が2万4900円)と、エントリーモデルのパブリカ(800㏄/38万9000円)と、コロナ(1500㏄/59万2000円)の間を埋めるモデルとして企画。日本の新しい時代の大衆車を目指した。名称の”COROLLA”は、英語で「花の冠」の意する。

 半年早くデビューしていた日産サニーを強く意識し、質実剛健な優良な小型車=サニーに対し、付加価値をつけて商品性を高める戦術を採用。エンジンは当初サニーと同じ1000㏄で開発が進んでいたが、販売サイドからのオーダーで急遽1100㏄にサイズアップ。このクラスの国産車では最初にフロアシフトの4速MTを採用し、フロントサスも国産乗用車としては初めてマクファーソン・ストラット式の独立懸架を取り入れた。

 そして広告には「プラス100㏄の余裕」というキャッチコピーで大ヒット。ライバル車であるサニーに圧勝した。しかし、実際にはサニーの方が車重が軽くタイヤが細い分、直進性に優れ、走りの良し悪しでいえばサニーが上だったと言われている。

 しかし、わかりやすい「立派に見える」商品性でサニーは敗北。以後、約40年に渡り、カローラとサニーは熾烈な販売競争を繰り広げることになる。

二代目(1970年 – 1977年)

 カローラといえば特徴のひとつに、バリエーションが非常に豊富なこと。初代は2ドアセダンから始まり、4ドアセダン、2ドアクーペ、バンとバリエーションを増やしていった。2代目では2ドアクーペのカローラ スプリンターが登場したことで、カローラクーペとスポーティな「スプリンタークーペ」に枝分かれした。

 1年後にはスポーティーバージョンのカローラSRを追加。さらに1972年には、直列4気筒DOHCの2T-G型エンジンを搭載した「TE27レビン・トレノ」を投入する。TE27はもともと軽いボディをさらに軽量化したので、同じエンジンを積む初代セリカよりも、運動性能はずっと上だった。

 1969年に東名高速が全面開通したこともあり世の中は高速化、そして「スポーティ」が魅力になる時代を迎えていた。キャッチコピーは「ALL NEW カローラ」、「ちょっとうれしいカローラ」で売り込んでいったのである。

三代目(1974年-1979年)

「カローラ30」と称された3代目は年間生産台数70万台を突破し、車名別生産台数世界一を達成。LB(リフトバック)とBピラーのないハードトップモデルが追加され、ボディバリエーションは全6種類に拡大した。

 そして「53年(1978年)排ガス規制」もクリアし、エアコンやヒーターなど快適装備も充実。ボディサイズをやや大きくし、衝突安全性を向上させたことで振動や騒音も大きく軽減させて質感をアップした。

 1975年11月には、2T-GRエンジンが廃止。レビン・トレノは一時生産中止となった。のちの1977年に、EFI(電子燃料噴射装置)仕様の2T-GEUエンジンとなり、レビン・トレノが復活。「ぴったりサイズでおおきなゆとり」と、まさに改良を示したキャッチコピーを使った。

四代目(1979年-1987年)

 四代目となり丸っこいボディから、直線を描くスクエアなボディにスタイリングを一変。4ドア系は丸目4灯ヘッドライト、ハードトップと3ドアは定型角2灯ライトを取り入れている。

 この四代目からリアサスペンションがリーフリジットから4リンクコイルスプリングへ進化し、ブレーキも全車がフロントディスクブレーキとなった。

 また4代目のトピックは、1.6リッター直列4気筒(2T-G)エンジンをレビンだけでなく、4ドアのカローラGTにも搭載したこと。TE71レビンとこのカローラGTは、ラリーをはじめ、モータースポーツの入門カテゴリーで活躍し、ストリートの走り屋たちにも愛された。

 TE71は、あのAE86のひとつ前のモデルで、中古のTE71を買って、スポーツドライビングに目覚めた中高年も多いはずだ。キャッチコピーは「“スケール大きくいい友誕生!”こちら一歩先行くカローラ」となっていた。

 ちなみにカローラ全車がFRだったのは、四代目のナナマル系までとなっていた。続編は五代目からはFF化から触れていきたい。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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