ストリートで映えるデザインとカラーを採用
2019年1月に開催された東京オートサロンで出展され、4月から販売を開始したブリヂストンの鋳造1ピースホイール「POTENZA(ポテンザ)SW010」。アドレナリンSW005、RW006に続くPOTENZAホイールの第三弾のモデルである。
POTENZAといえば「タイヤじゃないの?」と思われるかもしれないが、アルミホイールにもしっかり存在するブランドだ。それもスポーツ系のフラッグシップモデルだ。そんなブリヂストンホイールの顔というべきPOTENZAシリーズの最新作SW010は、コンセプトは当然スポーティ路線ながらサーキットに特化したタイプではない。「リムスピニング製法」で作られた軽量&高剛性ホイールではあるものの、どちらかといえばストリートでキビキビ走らせる方が向いている。そしていざとなればスポーツ走行にも対応できる、といった感じだろうか。
スポークは細身でバランスの良い10本タイプ。派手さはないが飽きにくいオーソドックスなレイアウトを採用し、スポーク先端はリムフランジまで伸ばし切った、いわゆるリムオーバー系。実際よりも大きく見せられるのが特徴で、たとえ純正と同インチサイズを選んだとしても、視覚的にはワンサイズアップしたように演出できる。
「純正タイヤをそのまま使いたいというお客様にもご好評をいただいています」と語るのはブリヂストンリテールジャパン自動車用品販売部の髙野課長。
ディテールに迫っていくと、単なるシンプルではないことに気付く。例えば1本1本のスポークは、片方の側面には段が付いているが、反対側はスパッと切り落とした左右非対称な形状。さらに根本付近にはえぐりを入れて軽量かつ立体的に見せている。リムフランジも小さなスプーンで1周削り取ったような凹型とすることで、なにかと負担の掛かるリムの剛性を向上。ルックス的にもココに陰影が生まれることで、メリハリが効いた印象になっている。
サイズは15×5J〜19×8.5J。P.C.Dは100(4Hと5H)と114.3(5H)の2タイプ。ディスクフェイスは2タイプ用意。「フェイス1」はシャープさがより一層強調されるフラット基調、「フェイス2」はセンターに向かってダイナミックに落とし込まれるコンケーブ形状だ。フェイス2は16×8J(4H-100)、18×9.5J(5H-114.3)のみの設定で装着できるクルマを選ぶが、それだけにプレミアム感あり。可能ならフロントはフェイス1、リアはフェイス2と変化を付けてみるのも面白そうだ。
ラメ入り塗装が放つ妖しさと煌びやかさ
リムスピニング製法にも触れておこう。SW010は基本的にアルミを型に流し込んで作る鋳造製法なのだが、リム部分に関しては、熱を加えながら回転させ、圧力を掛けて引き伸ばして作っている。
「リムスピニング製法を採用すると薄くて軽くて強靱なリムを作ることができます。鍛造製法には及びませんが、それに近い性能のリムに仕上げられるんです。結果的に鋳造ホイールとしては軽量に仕上げられています」と高野課長。
カラーバリエーションの設定で、実は東京オートサロンの会場でユニークな試みをしていたという。それは人気投票。プレーンなシルバーとブラック、ラメ入りのシルバーとブラックの計4色のサンプルを展示し、来場者に好みの色を選んでもらったのだ。結果、圧倒的な票数を集めたラメ入りの2色が正式カラーとして販売に至った次第。それぞれの名称は「シャイニングシルバー」「パールブラック」。いずれも塗料に細かな金属粉(ラメ)が含まれており、光を受けると独特のツヤと輝きを放つ。
「言葉で説明するのは難しいですが、ラメの粒子が不均一に光ることで奥行き感が出ます。また見る角度や光の当たり加減で雰囲気が変わるのもポイント。特にパールブラックは青味がかって見えたり、ガンメタっぽくなったりと、さまざまな表情をお楽しみいただけます」と高野課長。
対して付属のアルミ製センターキャップはヘアライン調。キラキラ感のある本体とは質感のギャップがあり、それがいいアクセントになっている。POTENZAのロゴは、シルバー地にはブラック、ブラック地にはシルバーであしらわれ、誇り高いブランドであることを主張。これだけでも所有欲が刺激される。
スポーツ系ホイール、それもあのPOTENZAの名を冠するモデルとなれば、性能第一と思うだろう。しかしこのSW010は、デザイン面と性能面が高次元でバランスを取っている。洗練されたシンプルさとさり気ないお洒落感を持ち、なおかつ軽量で強く、走りも楽しめる。スポーツカーだけでなく、セダン・ミニバン・コンパクト・軽カーとジャンルを問わず、末永く履き続けられそうだ。ブリヂストンリテールジャパン株式会社
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