三菱のラリー伝説を始動させた男
1936年スコットランド生まれの往年の名ラリースト、アンドリュー・コーワンが10月15日、82歳で逝去した。
1950年代にラリーを始め、1968年のロンドン~シドニーの長距離ラリーレイドで初優勝し、77年にもロンドン〜シドニーイベントで再び優勝。三菱やメルセデスなど数々のワークスドライバーを務めた。
1972年の第7回サザンクロスラリーでは、三菱・コルトギャラン16LGS(日本名ギャラン1600GS II)を駆り優勝。三菱自動車を初めて国際ラリー優勝に導いただけでなく、引き続きランサーでの活躍を続けサザンクロスラリー5連勝を達成。ドライバーとしてはその後も70年代半ばサファリラリーでも5年間上位に食い込む活躍を見せ、パリ〜ダカール・ラリーでは85年に2位を獲得している。
そんな彼は、三菱自動車の世界ラリー活動の拠点となるラリーアートヨーロッパを経て、1984年に「三菱ラリーアート」を設立した立役者。総監督として世界ラリー選手権に猛威を振るっていた「ランサーエボリューション」時代には、1998年に三菱として初めてマニュファクチャラーズの世界タイトルを獲得。96〜99年の4連続でトミ・マキネンをドライバーズ世界チャンピオンに押し上げた。
現在、トヨタワールドラリーチームの代表を勤めるマキネンのみならず、リチャード・バーンズなど数々の若手を育て上げたのもアンドリュー・コーワンだった。