選ぶ指標のひとつがオーナーのライフスタイル
いま、キャンピングトレーラーが人気上昇中。日本でキャンピングカーといえば、自動車と居住区が一体となった「自走式」が一般的ですが、RV先進国の欧米では、乗用車でキャンピングトレーラーを引っ張る「牽引式」が日本と比べて圧倒的に登録数が多いのです。
なにかカルガモの親子みたいにつながっているキャンピングトレーラー(車重750kg以下は普通免許で牽引出切る)は、運転するのは難しそうだなあ……とは思わずに、いま一度自走式と牽引式のそれぞれのメリットを考えてみましょう。
■キャンピングカー(自走式)のメリット
1)一体感のあるドライブフィーリング
自動車部と居住区が一体となっているので、サイズは多少デカいものの、その取り回しやドライブフィーリングは普通車と大きな違いはありません。牽引という、引っ張る運転感覚のキャンピングトレーラーに比べると、曲がった時の内輪差も気にならず、よほど大きなキャンピングカーでない限りバックや車庫入れで苦労することもないでしょう。
2)駐車スペースは1台分強
駐車スペースほぼ1台分で駐車料金が高い都市部ではありがたいことです。フェリーは全長で料金が決まりますが、一般的なキャブコンと呼ばれるトラックにキャビンを乗せたタイプでも5m未満が多いので、料金的にも普通車並み。さらに高速料金も普通車扱いになります。
対してキャンピングトレーラーは、車中泊パークによっては2台分、フェリーは会社によってサイズで貨物扱いになったり2台の合算運賃になったり、高速料金もワンランク高くなるのが辛いところです。
3)居住区にも乗れます、座れます
キャンピングカーは1台のクルマなので、運転席でも助手席でも、セカンドシートやサードシートなどどこでも乗車可能。乗車人数にもよりますが、6人乗車のキャブコンならば、家族4人とおじいちゃんおばあちゃんも一緒に乗れます(走行時はシート着席・ベルト着用)。この点、移動時にはシートがあっても乗車できないキャンピングトレーラーは、なんか勿体ないですね。
4)合体ゆえのメリット
自動車と居住区が合体している自走式ならではのメリットもあります。それは、運転席から居住区に雨に濡れずに移動できること。これ意外と快適。また、燃料式のFFヒーターなら、自動車の燃料タンクからの供給が可能です。カーエアコンである程度は居住区の冷房も可能で、キャンピングトレーラーは別体であるが故に、このような連携プレイができません。
ここまでで、自走式の方が良いのかな?と思ってしまうのは、ちょっと早計です。キャンピング・トレーラーのメリットはなんなのでしょうか。
■キャンピングトレーラーのメリット
1)広い(スペースファクターが良い)
自動車部がなく、すべてが居住区になるので、余裕がはんぱ無いです。逆に、自走式と同じ位の居住区で十分だと考えると、可愛いコンパクトなキャンピングトレーラーとなります。この点、自走式は、運転席やエンジン、ミッション、ガソリンタンクの分だけ居住区が狭くなってしまいます。
2)車体も維持費もリーズナブル
キャンピングトレーラーだけの価格で考えれば、自走式よりも、相対価格がリーズナブル。つまり、自走式マイナス自動車部と考えると当然と言えば当然です。自走式と違ってエンジンもないので、車検も税金も安いのが嬉しいです。
3)好きな車をヘッド車にできる
キャブコンには興味があるけど、あのトラック顔が好きになれないとか、現愛車が好きで手放したくないという人。ヒッチメンバー(牽引装置)が付く事が条件になりますが、キャンピングトレーラーを引っ張ることが出来ればお気に入りのクルマに乗ったまま、キャンピングライフも楽しめます。
また、夏はバイクやボート、ジェットスキー、冬はスノーモービルなどを引っ張っていく“牽引野郎”にとっては、ヒッチメンバー利用の一環としてキャンピングトレーラーはベターな選択といえるでしょう。
4)別れた方が良い時もある
別々の時がいい事があるのも、人間関係だけでなくキャンピングトレーラーも同じ。キャンピントレーラーを車中泊パークに置いたまま(道の駅とかはダメ)、機動性の高いヘッド車ですぐに出かけられるので、一度セッティングするとなかなか動けない自走式と違って自由度が高いです。
しかも、分離したキャンピングトレーラーは置いておけば、車中泊以外でも書斎や隠れ家としても活用できるのです。
とまあ、自走式もキャンピングトレーラーもそれぞれ良いところがあるので、その人のライフスタイルや拘りで選べば宜しいかと思います。なかには自走式で、キャンピングトレーラーを牽引しているなんて欲張りな方もいらっしゃいますので。