最後のロータリーエンジン搭載スポーツ
2002年の8月にFDの「アンフィニRX-7」生産終了、3代/24年間に渡るRX-7のモデルライフも終焉を迎えます。しかし99年にRX-EVOLVのコンセプトモデルが公開。
そしてロータリーエンジン復活を待ち望むなか、03年5月にRX-8が登場。RX-7は2ドアの2+2、事実上は2シーターでしたが、RX-8は主要マーケットである北米において4シーターがマストであるとされたために、FD系の3代目RX-7とほぼ同サイズのボディとしながらも、観音開きのリアドアを持つ“フリースタイルドア”を採用。ホイールベースを275mmも延長したのです。
エンジンは自然吸気の2ローター13Bで最高出力は255馬力。重量も30kgほど重くなり、絶対的なポテンシャルではFD系のRX-7には後れをとるものの、4人のためのグランドツアラーとしては充分なパフォーマンスを発揮しました。
深紅のRX-EVOLVとRX-8 Design Modelのカットはマツダ広報提供。深紅のRX-8クレイモデルは広島のマツダ本社に併設されているマツダ・ミュージアムで撮影。
幻のRX-7グループS仕様車も
RXシリーズはモータースポーツでも活躍。サバンナGTの頃から国内ラリーにワークスが参戦していたマツダは、RX-7の初代モデルあたりからWRCなど海外のラリーにも参戦。1980年代、グループB/Aが競技車両の主役に上がるとマツダはRX-7(初代のSA22C)をベースにしたグループB仕様も開発されました。
さらにグループBから“先鋭化”したグループSのプロトタイプも製作。
しかし競技規定そのものが変わりゆくなかグループB車両が本領を発揮する前、グループS車両も実戦デビューを果たせず。残念ながらこれらの車両はお蔵入りとなってしまったのです。
またスポーツカーレースでは、1992年のアメリカ合衆国のIMSA-GTシリーズに参戦した「マツダRX-792P」がありました。91年のル・マン24時間で国産車として初優勝を飾ったマツダ787Bの後継というべきモデルで、カテゴリー的にはIMSA-GTP、787Bと同じ4ローターのR26Bエンジンを搭載していました。
2台体制で参戦し、第5戦のライムロックで#78号車が3位、第8戦のワトキンスグレンでは#77号車が2位入賞。写真のグループB車両はマツダ・クラシックカー博物館フライで撮影。グループS車両は、ヨコハマで開催されたヒストリックカーイベントで撮影。
さて、RX-7、RX-8と来ると、気になるのはRX-9ということになります。が、実はすでにRX-9は登場していたのです。1977年にフルモデルチェンジで登場したルーチェの3代目というか、その上級モデルに位置付けられていたモデルのルーチェレガート。4ドアのピラードハードトップに定形角型の縦4灯式ヘッドライトがとてもユニークなルックスを演出していましたが、このルーチェレガートにも12A/13BのREを搭載したモデルがラインナップされていました。その輸出モデルこそ、RX-9を名乗っていたのです。
シックなマルーンのルーチェレガートのカットはマツダ広報部提供。
それでも気になる次期RXですが、実は2015年の東京モーターショーに出展されていたコンセプトモデルのRX-Visionが次期RXに発展するのでは、との噂もありました。
噂されている価格帯が、上方にシフトしているのが気になるところですが、いずれマツダからの公式発表が待ち遠しい今日この頃です。