車内が通信制限なしのWi-Fiスポットに
パイオニアからカロッツェリア サイバーナビの新型モデルが登場した。最大の特徴は、クルマをオンライン化することで、ナビ機能だけでなく、高精細HDモニターの新採用もあって映像や動画などを存分に楽しめるということ。まさに車内を最高のエンタテイメント空間に変貌させる新時代のオンデマンドカーナビと言えるだろう。そこで、この機能がいかに使い勝手が高いのか紹介してみよう。
いつも楽しみにしていることがある。それは孫とのお出掛けだ。いろいろ知識も身について会話が成り立つようになった。これが結構楽しい。男の子らしく乗り物にも興味を持ってくれているので、話す内容もクルマから電車、飛行機にまで及び、なんか趣味があってるなぁって思ったりする。そんな孫とのお出掛けに強い味方が、この秋登場した。パイオニア『カロッツェリア・サイバーナビ』の最新モデルである。
どこが強い味方なのかというと、新機能として採用したネットワークスティックだ。これはNTTドコモが提供する「docomo in Car Connect」に対応したLTE通信ユニットで、市販カーナビとしては初の活用となる。これがあることでカーナビのオンライン目的地検索や地図データの自動更新はもちろん、YouTubeの直接再生やWi-Fiテザリングまでが楽しめる。
いくら可愛い孫とはいえ、予期しない突然の要求には慌ててしまうこともしばしば。そんな時でもこのネットワークスティックが大いに役立ってくれるというわけだ。
卓越した項目&音声・目的地検索
この日は神奈川県・横浜まで船を観に行こうとなった。ただ、約束はしたものの、仕事は目一杯残っていて締め切りも間近。お出掛けを中止して孫に嫌われたくもないし・・・・・・と迷っていたら息子が声をかけてくれた。「運転はオレがするから移動中は仕事してていいよ」と。さすがは息子、育てた甲斐があった。ということで親子三代、3人で横浜までのドライブに出掛けることになった。
目的地は港が近くにある赤レンガ倉庫。息子がメニューから目的地を設定していると「おぉ、これスゲー」との声。名称検索で施設名をいれようと「あ、か、れ・・」と入れただけで目的地の「赤レンガ倉庫」が候補として表示されたからだ。
そこで「もっと簡単に目的地を探したいなら右下の音声検索を押して目的地を話せばいい」とアドバイス。サイバーナビは行きたい場所の名称を告げるだけで外部サーバーから候補を表示してくれるので、走行中であっても簡単に目的地設定ができるのだ。この音声検索はサイバーナビがネットワークにつながっているからこそ実現できること。息子も目的地が簡単に探せることの便利さを実感できたようだ。
目的地を設定できたのでさっそく出発! 息子は横浜で道をよく知らないとのことだったが、サイバーナビが案内してくれるので道順の不安はなし。モニターが高精細HDパネルとなったことを最大限に活かすため、ナビの表示も含め刷新がされているからなおさらだ。
走行中の安全は、サイバーナビに組み合わせた別売のマルチドライブアシストユニット「ND-MA2」によって、車間距離を測って先行車に近づき過ぎればモニター表示と警告音を発し、レーンのはみ出しも警告音で知らせてくれる。
また、信号の赤→青の切り替えまでも画面で知らせてくれるから、青信号に気付かず周囲に迷惑運転になってしまうことも防げる。ドラレコ機能も付いていて万一のアクシデントにもしっかりと対応してくれる。まさにサイバーナビならではの大ブネに乗った気分で目的地へと移動できるわけだ。
車内でパソコンもタブレットもサクサク使える
息子が運転してくれているので、目的地に到着するまでしばし仕事。ここで役立つのがWi-Fiテザリング機能だ。スマートフォンでつないでもいいけれど、実はネットワークスティックの「docomo in Car Connect」はパケットが使い放題。LTEの高速通信が使えて制限なしでネット接続ができるのだ。これならスマホのWi-Fiテザリングを使う必要はない。しかも、複数接続に対応しているので、同乗者が別々に利用することにも対応できる。まさに車内が移動するWi-Fiスポットに早変わりするのだ。
出発前に孫にはタブレットを渡し、移動中はストリーミング動画サービスを見て過ごしてもらうことにした。幸い孫はタブレットを手に夢中でそのビデオを見ている。孫のお気に入りを一発で当てるなんてやはり血は争えない。この間、孫の様子を気にしながらも仕事を続行し、横浜までの移動中に何とか仕上げた原稿をメールで送ることができた。これで心置きなく孫と楽しめる。
そして、楽しみにしていた港での散歩。クルマを駐める場所もリアルタイムの満空情報を使ってスムーズに駐車できた。ネットワークにつながっていることの便利さを改めて実感する。
赤レンガ倉庫に到着し、さっそく親子三代で付近を散歩。孫も船が観られるとあって、到着してからずっとはしゃぎっぱなし。今まで憶えたことを全部掃き出しているのかと思うぐらい、いろいろと話しかけてくる。これが爺としては嬉しくて仕方がない。
赤レンガ倉庫でひとしきり遊んだ後は、食事をするためレストランまで移動。走行中は、YouTubeで孫が好きなアニメの曲を再生しながら移動する(走行中は安全のため映像は映らない)。これを可能としているのもサイバーナビが市販カーナビで初めてWebブラウザを用いたYouTube動画のストリーミング再生を可能にしているから。しかも、カーナビの画面に切り替えても音楽だけはそのまま継続していられる。スマホでもこれを実現するには“Premium”を契約しなければならないが、サイバーナビではそれを標準で実現しているのだ。
コンビニの駐車場の有無まで確認できる
そんな移動中、孫からは「爺、オシッコしたい~」と突然の告知。予想はしていたけれど、すぐにトイレが見つけられるわけじゃない。一番の最良策はコンビニに立ち寄ることだが、都会のコンビニは駐車場がないことも多い。果たして孫のトレイは間に合うのか。しかし、ここはサイバーナビのハイビジョン化した地図表示が役立った。なんとコンビニのアイコンに「P」マークを付けて駐車場の有無を一目で識別できるようになっているのだ。目的地セット前にも画面下にもアイコンで施設内容が表示される。
地図をスクロールするだけで駐車場付きのコンビニが探せ、おまけに時間外ならアイコンをシャッターが下りているように表示できる。今後は24時間営業ではないコンビニも増えそうだから、この機能はますます重宝するに違いない。この営業時間の表示法に関してはガソリンスタンドも同じ。さらにガソリンの価格も表示されるので「もう少し先の店に行けば安かったのに・・・」といった悔しい思いをすることもない。
自宅レコーダーに録画した番組を車内で視聴
孫の様子を眺めているうちに目的のレストランへ到着。しかし、人気店だったこともあり順番待ちする客で長蛇の列。どうやら1時間は待ちそうな雰囲気だ。1日運転に付き合ってくれた息子は、この店で食べたいと言い張るので付き合うことした。ただし、順番待ちの列に並ぶのは息子。孫と私は駐車場に止めたクルマの中で待つことにした。
クルマで待つ間、何をしようか。そこで思いついたのが先週自宅のレコーダーに録画しておいたTV番組。実はサイバーナビには新たに「レコーダーアクセス」という機能が付いた。これは自宅で録画した番組を、ネットワークを介してリモート再生できるというもの。連携するスマートフォンでの設定を一度しておけば、あとはそのスマホさえあればどこへ出掛けても自宅のレコーダーにアクセスできる。クルマで遠出したら見られない自宅エリアの地デジや、レコーダーで受信したBS/CS放送まで見られるのだ。おかげで見損ねていた番組をしっかり見ることができた。
孫はといえば辺りが暗くなったこともあり、熟睡タイム。目覚めてご飯を食べてくれるか不安だけど、そこから先の面倒は息子に任せよう。今日は一日、いい爺だったなぁ。
最後に、登場する家族設定に関しては架空であり、実在のものとは関係ないことを付け加えておこう。