グローバルネームの共通化は増加する
そんな日本車の海外専用ネームはほかにもあり、スズキ・ジムニーは「サムライ」、日産デュアリスは「キャッシュカイ」、トヨタ・ヴィッツは「ヤリス」、ホンダ・フィットは「ジャズ」と車名が与えられている。ホンダのジャズといえば、クロスカントリーモデルのいすゞ・ミューがOEMとしてホンダで販売された際に名乗った車名を思い出すという方は、かなりのベテランであろう。
トヨタは前述のヴィッツをフルモデルチェンジするにあたり、グローバルネームの「ヤリス」に変更して日本国内でも販売することにしたと2019年10月に発表。3代にわたり使用されてきたヴィッツという名称は廃止され、今後はヤリスと呼ばれることになる。こうしたグローバルネームの使用はマツダが先鞭を付けており、デミオを「マツダ2」に、ファミリアからアクセラとなって久しいCセグメントモデルを「マツダ3」に、フラッグシップモデルのアテンザは「マツダ6」となった。グローバルネームとの共通化は、今後徐々に増えていく傾向だと見る向きもある。
ちなみに間もなくフルモデルチェンジが予定され、10月の東京モーターショーでその予告版ともいえるコンセプトカーが発表されたスズキの軽乗用車ハスラーは、アメリカでは有名な成人男性向け雑誌の名前であり、あこぎな手を使って荒稼ぎするギャンブラーや詐欺師も意味するという。
同様のコンセプトで先行したダイハツのネイキッド(絶版)も、ネイキッド=裸を意味する英語であった。軽自動車はほぼ日本専売品なので、まぁ気にすることでもないのかも知れないが、我々がパジェロ=ショーグンに苦笑いしてしまうように、外国人にとってのハスラーやネイキッドはそんな伝わり方になるということだろう。