黄ばみ曇りの原因は樹脂の経年劣化
近年のクルマのヘッドライトは、プラスチック製レンズ(カバー)が一般的だが、経年劣化で黄ばみや曇りを発生している例が多い。もし、曇りが酷く、ヘッドライトの光量が足りなくなると車検をパスできないことも。そのようなヘッドライトカバーの曇りを除去する方法を紹介しよう。
そもそもヘッドライトカバーの曇りの原因は、紫外線による表面のコーティングの焼けなどが挙げられる。洗車などでできた細かいキズ内に、汚れが溜まっていることもあるそうだ。それゆえ、曇り取りの作業をする前には、十分にカーシャンプーや中性洗剤(すすぎは十分に)を使って汚れを除去することが大切。場合によっては、それだけでも黄ばみが薄くなることもある。
ヘッドライトレンズ用クリーナー
量販店やネット通販で簡単に入手できるのが「ヘッドライト・クリーナー」。コンパウンドのような磨き剤とコーティング剤が一緒になっているものもある。適量をスポンジや専用の布に付けてヘッドライトカバーを磨き、乾いた布で拭き上げるだけ。
サンプル車は、表面にザラ付きがあり、擦っていると抵抗を感じた。その段階で拭き上げるとクリア感はイマイチだが、時間が経つにつれて抵抗感が無くなりスポンジの滑りが良くなる。その状態で拭き上げるとそこそこなクリア感は出てきた。
ショップでヘッドライトカバー磨き
ボディコーティングなどを行うショップでは、ヘッドライト磨きをメニュー化しているところもある。磨きだけなら片側5000円くらいからあるが、ヘッドライトカバーの黄ばみの状況、コーティングまで施工すると5万円台(1台分)とその価格差は大きい。施工方法の違いもあるだろうが、なかには1年補償付きというショップもあるので問い合わせてみるといいだろう。
さらに、非分解式のヘッドライトの場合も、それなり作業が増えるので工賃は高くなる。中古ヘッドライトを見つけて交換、もしくは後述する交換式ヘッドライトカバーを視野に入れるといいだろう。
ヘッドライトの曇り・黄ばみ消しシート
ヘッドライトカバーの黄ばみ・曇りの原因は、前述したように経年劣化なのだが、結果的にはキズが入り光りを乱反射させることでクリア感が薄れる。そのようなキズを貼るだけで消せる透明なシートがある。仕組みは、シートに付いている特殊な粘着剤がキズと馴染むことで光りの乱反射を抑制。いざとなれば、DIYでも施工可能だ。
施工は、ヘッドライトの汚れをシッカリと落とし、中性洗剤を希釈した液体を霧吹きでシートに吹き付けて、ウインドウフィルムを貼る要領で、位置を合わせていく。位置が決まったらヘラで内部の水分を抜くだけ。
車種別にカットされているタイプの価格は5000円台から2万円弱。フリーサイズも用意されているが、大まかなカタチにカットして、貼付した後にさらに余った部分をカットする必要がある。透明のラッピングシート(プロテクションフィルム)でも代用可能だ。
ヘッドライトカバー交換
黄ばみや曇りが酷く(深く)、磨いてもクリア感が出ないこともある。また、ヘッドライトカバーの内側に曇りがあるときは、分解して磨くしかないだろう。このようなケースでは、ヘッドライトユニット交換も検討する必要がある。ところが、年式が古いクルマは、純正パーツの価格が高騰または製造廃止となっていることが多い。
新品ではヘッドライト本体ごと交換となり、価格も高価になりがち。そんななか、カバーだけ販売する社外品もある。車種も価格もさまざまだが1万円台からあり、主に国産スポーツカー用に設定されている。
別途工賃が必要となるが、適用品があるならショップでの磨きメニューと比較検討できるはずだ。ちなみにR34型スカイラインGT-Rのヘッドライトユニットが片側約20万円。社外品のカバーは3万円台(1台分)。工賃を含めてもリーズナブルなのは間違いないだろう。