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高速道路料金の割引だけではない! 意外と多い「ETC2.0」のメリットとは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

高速道路を一時下車しても料金は同額

 高速道路のパーキングなどでよく見る『ETC2.0』のPR。従来のETCに変わる仕組みってのは分かるけど、違いや導入するメリットは果たして何なのか。知らない人が意外に多い新システム『ETC2.0』をおさらいしてみよう。

 1997年に日本での試験運用が始まったETCは”エレクトリック・トール・コレクション・システム”の略で、有料道路の料金所で一時停止する必要がない「自動料金収受システム」のこと。一方の『ETC2.0』とは沿線に設置された”ITS”とそれに対応する車載器を通信させ、広範囲における渋滞や交通規制の情報を受け取ったり、安全運転の支援を受けることができる、いわば付加機能が与えられたETCともいうべきシステムだ。

『ETC2.0』は、渋滞などの情報や迂回ルートをカーナビに音声と画像で表示させたり、音声発信型の車載器であればカーナビばなくとも様々な情報を得られる。道路情報の取得は、最大1000kmとカーナビのVICSよりも広範囲。また、料金の割引が従来のETCより大きいのもメリットといえるだろう。

 さらに指定されたIC(インターチェンジ)から有料道路を降りて同じく指定の道の駅に寄り、1時間を超えずに有料道路に戻るケースならば、有料道路を降りなかったときと同料金が適用されるなど、ドライブをより快適&オトクになる仕組みもある。ETC2.0限定のサービスは今後も増え続ける予定で、そのためにも旧ETC車載器からの買い替えを促進しているというワケだ。

旧ETC車載器が2030年以降使えなくなる

 なお、車載器はカーナビと連動させず単体で利用可能な価格帯(2万円前後)が人気だそうで、セットアップや車両の取り付け料金がかかるのは従来型と同じ。費用を考えると現状では「メリットが少ない」と考える人も少なくないだろうが、将来的に情報安全確保の規格が変更されることがほぼ確定しており、2030年ごろには初代ETCの車載器は使用できなくなることも考えられる。

 ただしETC2.0の車載器でも新規格に非対応の製品があるので、購入するときはメーカーや販売店で確認するのを忘れずに。有料道路を頻繁に利用するドライバーであれば、いま導入しても十分に恩恵はあるだろう。しかし、週末しかクルマに乗らないドライバーや近距離の移動がメインのドライバーは、費用対効果を考えると少し割高に感じるかもしれない。とはいえ現在のETC車載器が使えなくなる日は確実にやってくる。

 早めに切り替えるかギリギリまで旧モデルで引っ張るかはさておき、ETC2.0のメリットや移行するための費用を知っておいて損はないはずだ。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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