交通の流れに合わせて先を読んでいるか
「プロに聞く」シリーズの番外編として、走りのプロは、ストリート(一般道)で他人の走りのどんなところに注目し、上手い下手をジャッジしているのかを聞いてみた。答えてくれたのは、おなじみの澤 圭太選手。
「きちんと流れに乗って走れていることが大前提ですが、そのうえで広すぎず狭すぎず適度な車間距離がキープできていることがまずひとつ。高速道路では、車線変更の仕方が”スムーズかつスマート”な人は、”上手いな”って思いますね」
「ワインディングでは、車線の中でのクルマの位置、大げさでなくても、車線内でアウト・イン・アウトで走れているかとか、ブレーキランプの点き方などは気にしています」
「ブラインドコーナーの場合、ちゃんとコーナーの外側から入ろうとしているクルマは、コーナー先の分からない状況でも前もって備えている感覚が見え、“この人は分かっているな”と思うし、コーナー間が近いところでは、2つのコーナーを1つのコーナーとして走ろうとしている人も評価できるでしょう」
渋滞の最後尾にどうやって並ぶかも大事
続いて、澤選手はこう話す。
「街中では、後方車をどれだけ確認しているのか、が重要です。例えば、後方からオートバイが近づいてきているのに、車線変更しはじめてしまうような人は、ちょっといだだけない」
「他には渋滞の最後尾への並び方も差がつくところです。かなり近づいてから、ググググッと止まるのではなく、渋滞の末尾が見えたらリフト・アンド・コースト(アクセルを離して惰性で進む)で、スムーズに並ぶのがオススメ。アクセルをリフトオフするのに合わせてハザードランプも点けることでドライビング上級者にみえるでしょう。
もちろん僕は自分が渋滞の末尾になりそうなときは、後続のクルマを引き寄せてから、隊列に着くようにしています」
「細かいことをいえば、流れの乗り方や、空間の掴み方なども気にして見ていますし、運転中、首がまったく動かない人も、視界が狭かったり、目線が近かったりして、理想的な目線になっているとは思えないので、上級者とはいえないでしょうね」
このようにかなり具体的に応えてくれた澤選手。プロや上級者ほど、他人の運転もチェックしながら走っているので、そうした人から見られても、「まだまだだな」といわれないよう、自分の運転を再チェックしてみよう。さすれば少しづつでも上達するものです。
そして、運転というのは、意外に他人から見られているということも、きちんと自覚しておきたいものですね。