特殊なクルマだからユーザー自身の関心が高い
日本RV協会は、キャンピングカーを所有または興味を持っている人達に向けて、「キャンピングカーのメンテナンス事情」に関する調査を展開。マイカーに乗っているユーザーであれば少なからずメンテナンスに関心があると思える。そんな中、キャンピングカーという特殊なクルマについては、どんなところに関心があるのか、また実際の事情についてなど、メンテナンスする頻度や箇所、どこにお願いするかなどについてアンケートをした。
9割以上がメンテナンスの重要性を意識している
メンテナンスについて興味があるのかについての質問には、「はい」と答えたユーザーは約9割以上。クルマを運転する上では、さらなる数値アップを望んだが、約5%のユーザーはあまり興味を持っていないようで、「いいえ」と答えたユーザーの理由は何であるのかか気になるところ。
もっとも多かったのは、「すべてプロに任せているから」で32%。興味がなくても安全に関わることはしっかりと対処しているのことがわかる。このほか、「難しそうだから」、「教わる人がいないから」、「重要性が分からない」が続く。ただ闇雲に興味がないのではなく、メンテナンスの意味が分かれば興味が湧いてくるということなので、「はい」と答えたユーザーで、実際に行っているというユーザーが9割近くになっている。
なおアンケートの中には「ユーザーならば自分でメンテナンスを行うのは当たり前と考えています。普通車と違い、旅先でのトラブルは自分自身でなんとかするのが現実ではないでしょうか」という頼もしいユーザーの意見もあった。
メンテナンスの頻度は意外に高い
キャンパーのメンテナンス意識は実際に行っているユーザーの頻度については、「特に決めていない」と「半年未満」が同率で27%。続いて「3カ月未満」だった。おおむね短期間のうちに実施されている格好だ。
中には、「年に2回以上メンテナンスをしていますが、タイヤがバーストしてしまいました(タイヤ交換歴2年7カ月)。走行距離も影響しているとは思いますが、今後は出かけるたびにチェックしないといけないと思います」という意見のアンケートもあり、メンテナンスをする季節について圧倒的に多かったのが、「特に決めていない(74.3%)」だった。
季節のいい春や秋に限ったことではなく、キャンパーはいつでもメンテナンスどきと考えており、メンテナンスの意識が高いことを感じさせる。
メンテナンスはプロ任せではなくDIYがトップ
そして、メンテナンスは実際に自分でしているユーザーがは9割近くと高い。プロに任せる場合と自分で行う比率が気になるところ。
第1位になったのは、「なるべく自分で行う」で35.2%。続いて「ほとんどプロ任せ」が33.8%。「とりあえず自分でやってみて、手に負えそうもない時だけプロにお願いしている。何でもかんでも任せていると旅先のトラブルに対処できない」という意見もあった。もちろん、クルマいじりが好きだからということもあるが、この意見にも意識の高さを垣間見ることができる。
費用については「必要があれば上限は設けない」という方は2割以上存在。「項目によって異なる」がトップで56.7%だった。これは、安全に関わる重要な部分についてはしっかりとメンテナンスし、DIYなどでできる部分は楽しみながら行うという、キャンパーならではの一面を表していそうだ。
タイヤのトラブルを重要視するキャンパーが多数
メンテナンスを行う際に、主にどこが気になるかといえば、やはり「車両本体」がトップで68.3%。「キャンピングカーの装備品」は約3割となっている。
車両本体の中でももっとも気になるのは「タイヤ」で26.1%。キャンピングカーのトラブルの中でタイヤに関するケースは少なくなく、キャンパーが重要視している項目というのがはっきりと出ている。
そして、キャンピングカーの装備品のメンテナンスで、もっとも多かったのは「電装系」で30.7%、そして「FFヒーター」の20.5%という結果。どちらもキャンピングカー特有の装備品であり、とくに電気系統については永遠のテーマとも言える。意見の中には、「サブバッテリー4個を搭載しているため、充電しにくくバッテリーの劣化が早かった」というユーザーもいたほどだ。
旅の直前こそタイヤ、サブバッテリーは再チェック
実際にくるま旅に出かける前にチェックするポイントについては前述の回答がそのまま反映され、「タイヤの空気圧、ひび割れや変形」、「サブバッテリーの充電」が全体の約6割を占めている。「タイヤと電気」は普段でも直前でも重要なキーワードと言えそうだ。また「給排水タンクの具合い」も、チェックするかしないかで旅の快適さが大きく変わってきそうだ。
メンテナンス不足で旅先で困ったことのトップは、やはり電装関係で「サブバッテリーの故障」が第1位(22.1%)。近年の装備品で特に多くなっているのは電化製品で、すっかり装備品として定着しているようだ。「FFヒーターの故障」もしかり。寒い時期のくるま旅では車中泊ができず、即、わが家への帰路を急ぐことにもなりかねない。
メンテナンスでやっぱり頼れるのは購入したビルダー
過去にもっともメンテナンスに時間または費用がかかった装備品については、これまでのさまざまな質問の回答からも推測できるように、「サブバッテリー」がダントツトップ32.7%で、2位が「FFヒーター」。
キャンピングカーの装備として最重要アイテムといえるサブバッテリー&FFヒーター。いざという時に最悪の事態にならないよう、手間を惜しまず、しっかりとメンテナンスしておきたいパーツだ。
最後に、メンテナンスをプロにお願いする場合についてのご意見を伺ったところ、約6割と圧倒的に多かったのが「購入したビルダー」。「購入したお店がしっかりと対応してくれているので安心して任せている」というユーザーが大半を占めているようだった。