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未来のクルマ「自動運転車」に賛否両論! 高齢者や障がい者の自由な移動も考えた開発を!

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TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: トヨタ自動車/ダイハツ工業/日産自動車/メルセデス・ベンツ日本/Auto Messe web編集部

反対論も多い「自動運転」の必要性

 高速道路での手放し運転を可能にした日産スカイラインの登場などで、大きな話題を呼んでいるクルマの「自動運転」機能。現在は、限定エリアでの安全運転支援といった範疇での運用だが、将来的には「完全に自動で走る」クルマを目指し、世界中で開発が進められている。

 だが、一方で、2018年にアメリカで起きたウーバー(Uber)の歩行者死亡事故などにより、自動運転中の事故の責任は「運転者にあるのか、メーカーにあるのか」といった議論や、「そもそも必要なのか」といった疑念など賛否両論があるのも事実。

 ここでは、そういった自動運転のクルマについて、「高齢者や障がい者の移動手段」という福祉の観点から考えると、いかに必要であるかについて述べていく。

 

高齢者や障がい者の自立につながる

 私は自動運転の実現に期待を寄せる一人だ。まずは、その理由を述べたい。1886年にドイツでカール・ベンツがガソリンエンジン自動車を発明して以来、乗用のクルマは「健常者」のための「自由な移動手段」として発展してきた。一方で、自動運転が実現すれば、運転免許証の返納が必要になった高齢者や、運転することの難しい障がい者でも、「一人で移動できる」ことにつながる。そして、それは今以上に多くの人にとって「生活の自立」を意味する。

 自立した生活とは、人の生き甲斐の根本。子供のころ、一日も早く親の手を離れ、一人で出かけたいと思った人は多いのではないか。人との結びつきによって生活は成り立っているが、前提として、まず一人で自立した生き方ができることが、生きる喜びにつながっているはずだ。

 

誰もが「外出する喜び」を得られる社会に

 一方、高齢者や障がい者は、介助者に支えられないと日々の生活を送りにくいケースが考えられる。たとえ親子の間柄でも気遣いが残るし、相手に迷惑をかけたくないと、自らの思いを達成できずにいるときがあるかもしれない。

 そのひとつが、外出だ。楽しみのためだけでなく、病院へ通ったり、仕事へ出掛けたり、日用品の買い物に行ったり、そうした必要に迫られた外出のときでさえ、介助者が必要となると日時の制約を受けることになるだろう。

 しかし自動運転車があれば、老若男女すべての人が自分一人で出かけられるようになる。

 

目が不自由な人の外出も助けられる

 自動運転の開発に携わる技術者たちに、私は、究極の目標として「目の不自由な人でも一人で外出できる自動運転車を開発してください」とお願いしている。

 点字ブロックを頼りに、白杖(視覚障害者用のつえ)をついて一人で歩いている目の不自由な人を見かけたことがあるかもしれない。彼らは、意外とスムーズに歩行しているように見えるが、初めての場所には一人で行くことはできない。最初は介助者に手伝ってもらいながら何度か行くことで、慣れた場所なら頑張れば出かけられる状況である。

 それであるにもかかわらず、スマートフォンを見ながら歩いていた若者が目の不自由な人にぶつかり、逆に怒って白杖を折って立ち去った事件があった。そういう人がいる道へ一人で出かけるには勇気がいるが、自動運転車ならばそうした危険や嫌な目に合わずに済むだろう。

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