大型トラックで初の運転自動化レベル2を獲得
10月から発売された「三菱ふそう」の大型トラック『スーパーグレート』は、SAE(米自動車技術会)が定める運転自動化”レベル2″に相当する、高度な運転支援機能を搭載することで話題となった。今回、東京モーターショー2019で展示された実車をもとに、新技術や従来モデルから進化したポイントを紹介する。
まずは新規搭載された『アクティブ・ドライブ・アシスト』という装備。これは、高精度レーダーとカメラから得た情報を分析し、アクセルとブレーキに加えステアリングまでを制御する。車線内にとどめる『レーンキープ機能』や、時速60キロ以上で意図しない車線逸脱が起きたとき、車線内に戻す『車線逸脱抑制機能』などにより、さらに高いレベルの運転支援を行なうというものだ。
全車速域対応のクルーズコントロール機能『プロキシミティ・コントロール・アシスト』も継続して採用され、事故の防止だけじゃなくドライバーの疲労軽減にも貢献。制限速度や一時停止といった交通標識を自動認識する『トラフィック・サイン・レコグニション』は、進入禁止の道路に近付くような状況が起きるとブザーでドライバーに警告を促す。
また、灯火類では『インテリジェント・ヘッドライト・コントロール』に注目したい。これはフロントガラスに備えたカメラが前方の交通状況を判断し、ハイビームとロービームを切り替える機能。車両の購入に際し国土交通省から10万円の補助金も出るという。
さらに衝突被害軽減ブレーキ『アクティブ・ブレーキ・アシスト5』は、従来のレーダーに加えカメラからも情報を得ることで、これまでよりも正確に障害物を感知し、より高い衝突回避能力を実現。歩行者に対する衝突回避能力もアップしている点も見逃せないポイントだ。価格は2161万6100円で、今後は”レベル4″の自動運転技術を目指し開発を続けていくという。
三菱ふそうでは、2019年モデルとして衝突軽減ブレーキを採用する、観光仕様の小型バス『ローザ』も披露。 また、燃料電池を動力とする小型トラック『Vision F-CELL』も参考出品ながら興味深かった。こちらは電動の『eキャンター』をベースに製作されており、まだ実験の段階ではあるものの出力は135KWに達し、最大航続距離300kmを誇るというから実用化も十分に考えられそうだ。