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究極の後席VIPのために…… 天皇御料車も存在したメルセデス・ベンツを代表する歴代超高級モデルたち

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TEXT: 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)  PHOTO: MBJ、ヤナセ、妻谷裕二、Auto Messe Web編集部

世界の要人を乗せた大型高級リムジン600

 1963年のハイライトとして、「グロッサー・メルセデス」の再来といわれた「大型高級リムジン600(W100)」が登場した。ボディの種類も全長が6240mmのプルマン・リムジンが特注生産され、4ドア・5ドア・6ドアにもなるし、室内でも好みのレイアウトが可能だった。

 加えてランドウ・タイプのボディも造られた。とにかくウッドの見本だけでも4種類、20数色の本革、同種の最高級ベロアーが用意されどんな注文にも応える用意ができていた。

 ジョン・レノンのピアノ付きから日本のオーナー向きの下駄箱付きまで、特にプルマン・リムジンでは2台として同じスペックはみられなかった。しかし、この600は大きく豪華なリムジンというだけではなく、優れた車でもあった。

 これまでリムジンというものは、背の高い旧式な大型セダンということが常識とされていた。例えばロールス・ロイスのファンタム6世は全長×全幅×全高が6040×2010×1750mmに対し、600の標準モデルでは、5540×1950×1485mmでスタイリングはまったくモダン。

 しかも十分な貫禄を備えているばかりか、それまで自動車に使われたことのなかった航空機の技術、ハイドロリック・システムのパワーウインドウやパワーシートを採り入れるなど、自動車においては極めて高いレベルのエンジニアリングが盛り込まれた。

 そのうえ、走行性能はまるでスポーツカーを凌ぐほど優れたリムジンだった。気になるリムジン・プルマンの合計生産台数(1963年~1981年迄)は2677台(リムジン=2190台、プルマン=428台、ランドウ=59台)だ。

 この600のオーナーには著名な人も多い。20世紀最大の海運王の息子のアレキサンダー・オナシス、世界的に有名な指揮者のヘルベルト・フォン・カラヤン、フランスの有名歌手のミレイユ・マチュー、時のF1チャンピオンであるジャッキー・スチュアート(彼のは真っ白な600だった)も。

 また、国家や元首用として、ヨハネス・パウル2世法王、パウル6世法王も利用していた。国家の威信にかけてイギリスのエリザベス2世女王と当時の西ドイツ首相、キージンガー氏がともにパレードする600プルマン・ランドウの写真はあまりにも有名だ。

 

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