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ジェンソン・バトン SUPER GT活動終了、モータースポーツ応援イベントで感謝の言葉語る【ホンダレーシング THANKS DAY 2019】

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田了

シーズン中ながら主力選手が参加

 国内外のモータースポーツに積極的に参加しているホンダ主催による、1年間声援を送ってくれたファンたちに感謝するイベント「Honda Racing THANKS DAY 2019(ホンダ・レーシング・サンクスディ2019)」が、晴天に恵まれた11月10日、栃木県のツインリンクもてぎで開催されました。

 例年は11月末から12月上旬にかけて行われてきた同イベントですが、今回は1カ月近く早く、F1GPや2輪ロードレースの最高峰であるMoto GPなどが、シーズン真っ最中での開催。それでもF1GPからはトロ・ロッソのダニール・クビアト選手が、Moto GPからはカル・クラッチロー選手や中上貴晶選手、Moto2(Moto GPの下位クラス)に参戦しているソムキャット・チャントラ選手などが参加。1万7500人のファンと共に、早朝から夕方まで、熱く楽しい1日を過ごすことになりました。

 

スターティンググリッドでマシン接触?

 会場となったツインリンクもてぎでは、1週間前にSUPER GTのシリーズ最終戦が行われたばかりで、ロードコースのホームストレート沿いに仮設されたビクトリースタンドはそのまま、走行イベントは総てロードコースが使用されました。

 朝一番ではサーキットサファリ&グリッドウォークを実施。サーキットサファリは、SUPER GTで始められた催しで、コースを走るレーシングカーを猛獣に見立て、まるでサファリパークを行くように大型バスでコースを走行しながらレーシングカーの走りを見て、感じて、魅力を堪能するというもの。

 一方のグリッドウォークは、ホームストレートのスターティンググリッドに並べられたレーシングマシンを間近に見て楽しむ、というもので、これも国内のレースではお馴染みのコンテンツです。

 これを同時に行うということは、レーシングマシンと、お客さんを乗せた大型バスはピットロードを通行するスタイルになります。ホームストレートでグリッドウォークを楽しんでいるお客さんにとっては、デブリフェンス越しにホームストレート側からピットロードを走行するマシンが眺められるという、これまでには考えられなかったシーンが展開されました。

 

鈴鹿フォーミュラカースクール卒業生の特別共演レース

 新しいコンテンツで興味深かったのは、鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F)の卒業生による「SRS-Formula Cup」。

 25年間の歴史を持ち、卒業生は約500名を数えるSRSですが、今年から体制と組織を大きく変更。SRS-Fの第3期卒業生で、現在も北米最高峰レースのインディカーシリーズを戦う佐藤琢磨選手がプリンシパル(代表)に就任することになりました。

 その佐藤選手に、山本尚貴、野尻智紀、伊沢拓也、塚越広大、牧野任祐、福住仁嶺、名取鉄平の各選手を加えた8名によるエキシビジョンレースです。レーシングカートを使った「Honda Racing Kart Cup」も魅力的ですが、全員が現役のレーシングドライバーで、なおかつ使用するマシンがSRS-Fのスクールカーに使用されているフォーミュラで、そのポテンシャルはFIA-F4レベルとされていて、本物感がタップリ漂っていました。

 ちなみに、このレベルのレーシングマシンではドライバーに合わせたシートが必須ですが、佐藤選手以外はSRS-Fを受講した際にこの車両で走行しており、「(卒業生が)プロである限りは(受講時に使用していた)シートは保存しています」とのこと。唯一、佐藤選手の時代はスクールカーが導入される以前だったので、プリンシパルとしてSRS-Fに出席した際にオリジナルのシートを作ったそうです。

ジェンソン・バトン選手の国内ラストレース!

 そして今回の、もう一つの話題となったのは、今季限りでSUPER GT参戦を終えると発表し、これが国内ラストランとなる(可能性が高い)ジェンソン・バトン選手。朝一番にハローウッズのレーシングカート用のコースで行われた「Honda Racing Kart Cup」では、Moto2で活躍するソムキャット・チャントラ選手とコンビを組んで参戦。自身が担当したレース前半にはトップまで追い上げて後半を担当するチャントラ選手と交替しました。

 チャントラ選手も快調に走行を続けましたが、終盤に後続車両に突っ込まれる格好で後退。S-GTで活躍する武藤英紀選手とコンビを組んだ、Moto-GPで活躍中のカル・クラッチロー選手に抜き去られて、国内最後の優勝は叶わず。それでもレース後にはにこやかにインタビューに応えファンからの声援を受けていました。

 バトン選手は、さらに午後から行われた「SUPER GT Honda Grand Prix」にも参加。2シーズンに渡りコンビを組んだ相棒の山本尚貴選手とともにNo.1 RAYBRIG NSX-GTで出走しました。

 こちらでも優勝は叶いませんでしたがレース後に山本選手やチームスタッフと抱き合って感謝の意を伝えたジェンソン・バトン選手は、レース後のインタビューで「2年間、楽しかった。ナオキさん(山本尚貴選手)とは良い時間を過ごせた。チームの皆にも感謝している。2年間、熱い応援を続けてくれたファンに皆さんにも、応援ありがとうと言わせてください」とファンへの感謝の気持ちをコメント。日本のファンから愛されたレーサーに向けて、大きな拍手が送られました。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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