車酔いを誘発する環境や体調
楽しいドライブの最中の車酔い。本人がツラいのはもちろん、運転する側も心配で気が気ではありませんよね。よく、乱暴な運転をする人のクルマに乗ると酔いやすいといわれますが、原因はそれだけではないのです。ここでは、「車酔い」になりやすい要因とその対策をご紹介しましょう。
車酔いは、平衡感覚を司る「三半規管」が揺れや加減速などで刺激され、自律神経のバランスが崩れることで起こるとされています。また、人によっては揺れのみでなく、ストレスや不安感、視覚への刺激やニオイなど要因はさまざま。以下に、車酔いしやすいケースは以下の通りです。
・本人のコンディション
まず、同乗者で車酔いしてしまう人は、体のコンディションがどういった時に「酔いやすい」かをご紹介します。
【酔いやすい体調】
体調が悪い時、特に「睡眠不足」や「空腹や満腹」の時は車酔いが起きやすい状態だといわれます。車酔いしやすい人が同乗する場合には、その人には前日にしっかり睡眠をとってもらい、乗車の1〜2時間前に食事を摂るようにしてもらうのがおすすめです。
【酔いやすい行動】
ドライブ中に、スマートフォンの画面を見る、本を読む、近くの景色をじっと眺めるなど、一点を凝視する行動も要因となります。これは絶えず揺らされている体からの情報と、一点を見つめる目から入る情報に大きなズレが生じるからなのだとか。
そこで、車酔いしやすい人は、ドライブ中になるべく頭を揺らさず、ぼーっと遠くの景色を眺めるのがおすすめ。サングラスをかけることで視覚からの刺激が減り、楽になるという人もいるようです。
【酔いやすい精神状態】
車酔いするのではないか……という恐れや緊張も、酔いを誘発しかねません。ですので、酔いやすい人が同乗する場合は、「少しでも酔いそうだったら、すぐに休憩するからいつでも言ってね!」と、ドライバーから声をかけて、少しでも安心させてあげましょう。
酔わないための車内環境作り
車内の環境も、車酔いに大きく関連しています。そこには座る位置だけでなく、匂いや温度なども影響は大きく、ここを改善するだけでも酔いにくくなると言われてます。
【酔いやすい座席位置】
一般的に、助手席より後席のほうが酔いやすい人が多いようです。特に、ミニバンや大型SUVなど、3列シートを採用しているクルマの場合は、一番後方(3列目)に座った時に酔うという人が多いといわれ、その要因として以下のことが上げられるのです。
・後輪タイヤに近く、揺れが伝わりやすい ・スペースが狭めで閉塞感を感じやすい ・窓や前方が見えづらく、揺れを予想しづらい ・重心の高さや足回りの影響を受けやすい |
【酔いやすい車内のニオイ】
次に車内のニオイが、酔いの引き金になることもよくあります。食べ物やペット、香水や芳香剤のニオイなど、車内に漂う匂いのうち、酔ってしまうニオイは十人十色。普段乗っている人は気付かないニオイもあるので、ドライブ前に車内を清掃したり、芳香剤ではなく消臭剤を使うといいでしょう。
また、ガソリンのニオイが苦手な人もいます。そういった人が同乗する場合は、給油はなるべくドライブ前に済ませておくなどで、ドライブ中にガソリンスタンドに立ち寄る回数をできるだけ少なくするようにするのも気遣いのひとつです。
【酔いやすい車内温度】
最後は不快な車内温度もストレスとなり、酔いを誘発するケースです。酔いやすい人がいる場合は、暑すぎたり寒すぎたりすることのないよう、こまめに確認。特に、寒くなるこれからの季節は、ヒーターを長時間使うことも多くなるので、知らないうちに車内温度が上がりすぎていたなんてこともあります。
ラフな運転は悲劇、「女子ウケ」する運転を
そしてもちろん、運転の上手い下手は車酔いと深く関係します。ここで言う「上手い」運転とは、同乗者が乗り心地よく感じる「スムーズな運転」のこと。
特に、急な加速や減速、急ブレーキや急ハンドルなどはご法度。中には、そういった運転をして「自分は上手い」と勘違いする人もいますが、こういった運転はすべて、酔いやすい人にとっては「悲劇」でしかありません。
「スムーズな運転」は、同乗者が酔いづらくなるのはもちろん、燃費がよくなる、安全なドライブが楽しめるなど、ほかにも多くのメリットがあります。アクセルやブレーキ、ハンドルなどの操作は、ぜひシルキータッチで。スムーズな運転の方が子供や女子ウケもいいですよ。
運転者と同乗者が行なうドライブ前対策
最後に、上記を踏まえドライバーと同乗者がそれぞれ事前にできる「車酔い対策」をまとめてご紹介。
【ドライバーができること】
・前日に給油する ・車内のお掃除と換気を徹底する ・ルート中の休憩スポットをチェックしておく ・音楽や口頭でできるゲームなど、目を使う必要のない気晴らしを考えておく ・スムーズな運転を心がける |
【同乗者ができること】
・前日の睡眠はしっかりと ・空腹でも満腹でもない状態にしておく ・年齢にあった酔い止め薬を飲んでおく ・できるだけ前の席に座る ・車内でスマートフォンを見たり本を読まない |
車酔いを完全に防ぐことはできませんが、しっかり対策することで、同乗者に安心感を与え、より「酔いにくい」状態を作ることは可能です。万全の準備で、ぜひ楽しいドライブを!