2019-2020年シーズンもチーム「日産e.dams」から参戦
日産自動車は、EV(電気自動車)のF1レース「フォーミュラーE」の2019-2020年の新シーズン開幕戦に、カラーリングとパワートレインを一新したマシンで参戦する。
日欧のメーカーがワークス参戦
正式名称を「ABB・FIAフォーミュラE選手権」というこのシリーズは、2014年から開催されているもの。日産は、前シリーズ(2018-2019年)よりワークスチーム「日産e.dams」を擁して初参戦し、チームランキング4位を獲得。
新しいシーズン6にも、ドライバーにセバスチャン・ブエミ選手とオリバー・ローランド選手を迎えフル参戦する。
また、今シーズンでは、メルセデス・ベンツやポルシェもワークス体制で参戦する予定。欧州2メーカーと日本の日産が、熾烈な争いを繰り広げることが期待される。
11月22日と23日に開幕戦が開催されるのは、サウジアラビアのリヤドにあるディルイーヤサーキット。日産e.damsチームは、今シーズンのレースに新たにシングルモーターシステムを採用したパワートレインを搭載したマシンを投入する。
日産のモータースポーツダイレクターであるマイケル・カルカモ氏は、シーズン6への意気込みをこう語る。
「私たちのデビューシーズンは、電動車両の優れたパフォーマンスを訴求する素晴らしい場となりました。これから始まるシーズン6は、パワートレインの変更に加え、新たに選手権へ参戦してくるライバルたちもいます。こうした新たな課題にチーム一丸となってチャレンジしていきます」。
日産e.damsチームの監督は、昨シーズンまで元プロドライバーのジャンポール・ドリオ氏が努めていたが、今シーズンは彼の息子であるグレゴリー・ドリオ氏とオリビエ・ドリオ氏の兄弟が担う。彼らは共同声明で、新しいシーズンの抱負をこう述べている。
「父がモータースポーツの世界で達成してきたことを非常に誇りに思います。私たちの目標は、それを継続することです。シーズン6以降も父に敬意を表しながらレースを続ける決意です」。
テストでは最高の仕上がりを実感
ドライバーのひとりセバスチャン・ブエミ選手は、今シーズンにかける意気込みを以下のように話す。
「昨シーズンは、(アメリカで開催された第12戦)ニューヨーク大会において初の勝利を収めました。私たちはシーズン6に向けて、その勢いを維持する準備ができています。新たなパワートレインで今シーズンを戦いますが、プレシーズンテストで私たちのマシンの戦闘力は非常に高いと感じました。
シミュレーターでも開幕戦に向けて準備していますが、実際にトラックに出てみないとライバルに対してどのくらい競争力を発揮できるかは分かりません。プレシーズンテストが行われたバレンシアのサーキットとディルイーヤのストリートコースでは大きな違いがあるからです」
第1戦の舞台はエキサイティングなコース
そして同じくドライブするオリバー・ローランド選手もコメントを発表。
「新シーズンに挑むにあたり、昨シーズンの経験を活かすことができるということが、デビューイヤーだった昨シーズンと大きく違うところです。自分自身の準備ができていると感じます。日産e.damsチームは、新しいパワートレインの開発にあたり、素晴らしい準備をしてくれました。ディルイーヤのサーキットは、高低差があり、コース幅も狭く、とてもエキサイティングなコースで、レースが楽しみです」。
さて、開幕戦で、日産の電気自動車フォーミュラーマシンは、どんな活躍を魅せてくれるのか。乞うご期待だ。