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人工知能(AI)を活用した日野自動車の最新ハイブリッド式トラック「プロフィア」

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

都市間の移動にフォーカス

 輸送コストの削減に直結するばかりか、環境負荷の軽減にも繋がるトラックの燃費。日野自動車は都市間の移動における燃費の向上を狙い、人工知能であるAIを駆使したハイブリッドの大型トラック『プロフィア』を開発。東京モーターショーに展示された最新の大型市販トラックは、どのようなモデルなのだろう。

 大型トラックにとって永遠のテーマといえるのが「燃費」。対策としてハイブリッドシステムの採用は誰もが考えるところだが、大型トラックが活躍する高速道路はストップ&ゴーが少なく、ハイブリッドの利点をあまり活かせない環境と言わざるを得ない。市街地を走ることが多い小~中型トラックならいざ知らず、大型をハイブリッド化するメリットは少ないと言われている。

走行ルートの状況をAIが予測

 日野自動車が、大型トラックの開発で注目したのは”質量”。車体が重いほど下り坂での運動エネルギーは大きくなり、それを回生し活用すれば大幅な燃費の向上が見込めるはずと考えたのだ。ただし、ドライバー任せでは効率が悪い。そこで走行ルートの標高/勾配/位置情報などからAIが走行負荷を予測し、高低差による運動エネルギーを効率的に回生し活用することで、最適なハイブリッドの制御を行なう世界でも類をみない技術を生み出した。

 下りでは回生ブレーキでバッテリーを充電。他にも回生エネルギーのばらつきを抑制するため、フットブレーキ使用時に回生ブレーキを優先させる『ブレーキ協調回生制御』や、新開発の大容量リチウムイオンバッテリーも採用する。

 こうした流れを正確にコントロールすることで、従来モデルと比べ約15%におよぶ燃費改善が見込めるとのこと。将来的には観光バスにも同様のハイブリッドシステムを取り入れていく予定だという。

 なお、すでに『プロフィア・ハイブリッド』は発売されており、エコカー減税や環境省が定める補助金の対象にも指定されている。

ダカール・ラリー参戦車や新EVモビリティも展示

 さらに、今年の東京モーターショーでは『ダカール・ラリー2019参戦車』も展示。1991年年に日本のトラックメーカーとして初参戦し、2019年1月に記念すべきクラス10連覇を達成したことは記憶に新しい。ベース車両は中型トラックの『レンジャー』で、ラリー用に改造されたボディやサスペンションを採用。レーシングスーツやテントなど装備品も展示された。

 さらに、世界に先駆けて公開されたコンセプトモデル、『FlatFormer』に注目。活用できる空間を最大限に広げたバッテリー駆動のモビリティで、配達や集荷だけじゃなくドローンの収納やロッカーサービス、荷物の自動梱包にドローンのベースとしても使用できる。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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