さすがはドバイ、もはや戦車級なクルマたち
その規模は中東・北アフリカでは最大と言われている「ドバイ国際モーターショー(Dubai International Motor Show)」が開催。潤沢なオイルマネーというか、欧米や日本で開催する自動車ショーとは、スケールの異なる展示車両には驚くばかりであり、前回は6億円超えや2000ps以上といった超絶なスーパーカーを紹介した。今回は視点を変えて、これまた中東で開催されるモーターショーらしい装甲車テイストなクルマたちを紹介したい。
ARMORED LUXURY
ドバイで装甲車の製造を行っている企業、Inkas Vehicles LLCが「ARMORED LUXURY(アーマード・ラグジュアリー)」と銘打ってブースを展開。「高級SUVを装甲車に仕立てる」という、いかにも中東的(?)なニーズに応え、様々なベース車を使ったアーマードSUVを披露した。さすが、ドバイ。
メルセデスベンツ・G63とシボレー・サバーバンに関しては、パッと見では装甲車とは思えないスタイリッシュさだが、ドアを開けると外装パネルや窓ガラスの厚さに驚愕。もちろんエンジンや足まわりもガッチリ強化されているとのこと。装甲の強度(たぶん)を示す「アーマーレベル」は「BR6」を誇る。といわれても何のことか分からないと思うが、WEBサイトによるとアサルトライフルの7.62ミリ弾や、DM51手榴弾×2を防げるらしい。
一方で、日本が誇るトヨタ・ランドクルーザーベースの「TITAN-S BURGUT」と、ダッジ・ラムベースの「TITAN-DS SWAT」は、素人目には完全に戦車にしか見えない。WEBサイトの説明には「ドライバーを含む10名のコマンダーが乗り込めます」といった表記があるなど、とても物々しい。
ちなみにランクルは7.62×51ミリNATO弾を、ダッジ・ラムは7.62×39ミリ弾や対戦車地雷の6kgの爆風を防げる。よく分からないけどスゴイ。
ストレイト・シャーマン8×8
STREIT(ストレイト)もUAEの装甲車メーカー。出展していたのは「SHAMAN-8X8」という巨大多足生物のようなクルマで、8輪の低圧タイヤはどんな地形にも対応し、川や沼地もOKという水陸両用っぷり。エンジンは3リッターディーゼルターボで最高出力は146馬力。ミッションは6ATとなり、燃費は不明だが燃料タンク容量は260Lもあるので、道なき道をどこまでも走れそうだ。
他にも日本ではまだ発売されていない新型SUVも多数出展。キャデラック・XT5の上位に位置付けられる最上級クロスオーバーの「XT6」や、9月にフランクフルトモーターショーでワールドプレミアしたばかりのランドローバー・ディフェンダー90(3ドア)&ディフェンダー110(5ドア)、日産・パトロール(サファリの海外版)の改良新型など、平和で安全な日本導入にも期待できそうだ。
なお、パトロールは「GAZELLE STORM」というガチのオフロード(砂漠?)仕様も展示されていた。
日本導入か? 新型キャデラック・CT5も披露
装甲車ではないが、2019年春に発表された「キャデラック・CT5」も披露。CT5といえば、ベンツEクラス・BMW5シリーズなどをライバルに据えたミドルクラスの新型セダン。ラグジュアリーモデルとスポーツモデルの2タイプがあり(写真はラグジュアリー)、エンジンも2リッター直列4気筒ターボと3リッターV型6気筒ツインターボの2種類を用意。後者は最高出力335馬力、最大トルク55.3kgmと、力強くゆとりある走りを楽しめそう。
室内はカラーやデザインをカスタマイズ可能。2020年モデルからは先進の半自動運転システム「スーパークルーズ」を搭載予定で、アメリカやカナダの自動車専用高速道路をハンズフリーで走行できるようになるそうだ。日本では使えない機能だが、CT5自体は2020年頃から日本でも販売が始まるとみられている。