2020年からGT500マシンへ共通コンポーネント供給
部品メーカーのボッシュは、11月22日、日本最大級の自動車レース「スーパーGT」のオフィシャルスポンサーになったことを発表。スーパーGTを統括するGTアソシエイションと2020年から3年間の契約を結び、GT500マシン全15台に共通コンポーネント(部品)を提供するほか、各車両にボッシュのロゴが貼られることなどを発表した。
ボッシュは、ドイツを拠点とする世界的な部品及び電動機器のメーカーだ。メルセデス・ベンツなどでおなじみ本国ドイツはもちろん、欧州や北米、そして日本の自動車メーカーなどに様々な自動車部品を提供している。
そのボッシュとスーパーGT側が結んだ今回のオフィシャルスポンサー契約の主な内容は次の通りだ。
【GT500マシンへの共通コンポーネント供給】
スーパーGTの最高峰クラスGT500マシンへの共通コンポーネント供給(マルチディスプレイ、エンジンコントロールユニット、各種センサー、スターター、インジェクター、パワーボックス、高圧ポンプ、オルタネータ、ワイパーモータ等)
【ボッシュのロゴ掲示】
GT500出場マシン全15台、 ならびにセーフティカーやファースト・レスキュー・オペレーション車両、プログラムやポスター、表彰台のバックボードなどにボッシュのロゴを掲示
DTMと同一パーツを提供することになる
今回のスポンサー契約が発表されたのは、同日に静岡県の富士スピードウェイで開催された「スーパーGT☓DTM特別交流戦」において。
DTM(ドイツツーリングカー選手権)とは、市販車ベースのレース車両で競ういわば「ドイツ版スーパーGT」とも言えるレースだ。スーパーGTのGT500クラスは、2020年シーズンからこのDTMと同一の「クラス1」という統一レギュレーションを全面採用することになって話題を呼んでいる。
また、ボッシュは、2000年よりこのDTMにもオフィシャルパートナーとして、DTM指定のコンポーネントを全マシンに提供。今回のスーパーGTとのスポンサーシップ契約によって、ボッシュはスーパーGTへDTMと同じコンポーネントを提供することになる。
今回の契約締結について、ボッシュ日本法人のクラウス・メーダー社長は
「スポンサーシップ契約ならびにスーパーGT GT500へのコンポーネント提供を通じて、モータースポーツの発展に貢献できることを、大変光栄に思います」
コメント。また、
「ボッシュは1901年よりカーレースに参戦するマシンに製品を提供するなど、モータースポーツとの関わりは長きにわたります。過酷なレース環境に耐えて安定性が実証された製品を量産車に提供するなど、モータースポーツへの貢献は、より安全で効率的かつ魅力的な量産車の開発に向けた技術力の向上にも繋がっています」
と語っている。
一方、スーパーGTを統括するGTアソシエーションの坂東正明社長は、今回のボッシュとの契約についてこうコメントしている。
「(来年より全面採用する)クラス1規則では数多くの共通部品を採用しますが、その使用はコスト低減、性能均衡化の実現のみならず、DTMとスーパーGTのコラボレーションを深化させるため、双方にとって大変意義があります。
そのサプライヤーのひとつ、ボッシュの卓越した技術、製品精度の高さ、信頼性はDTMはじめ世界中の様々なレースで実証済みです。ボッシュをオフィシャルスポンサーとしてスーパーGTにお迎えできることを私たちGTAは大変うれしく思っております」。
なお、ボッシュは、2018年には、EV(電気自動車)のF1と呼ばれる「フォーミュラーE」のスポンサーシップも行うなど、近年様々なモータースポーツへ積極的に参画している。「走る実験室」と呼ばれるレースの現場で培ったノウハウや技術が、今後どのような形で自動車部品へ反映されるのか興味深い。
スーパーGTの2020年シーズンは、4月11日・12日の岡山国際サーキットから開幕する。