力強さに定評がある2.8リッターディーゼル
ボディサイズが大きく、車重もかさむフルサイズモデルとあって、走りの能力がどれほどか、さらに走行時の快適性は気になるところ。まず動力性能だが、エンジンは最高出力177馬力、最大トルク46.1kg-mを発生する2.8リッター直4クリーンディーゼルエンジンを搭載。
この1GD-FTVエンジンは、次世代高断熱ディーゼル燃焼や小型高効率可変ジオメトリーターボチャージャーによって、世界トップレベルの熱効率44%を達成した高性能ユニットで、ランドクルーザープラドをはじめとしたトヨタの現行ディーゼル仕様に搭載されている。
力強さに定評がある2.8リッターディーゼルに6速ATを組み合わせることで、高級車に求められる滑らかさや静粛性に加え、低回転からトルクフルな走行を実現している。燃費は10.0km/L(WLTCモード)という、車格を考慮すれば優秀な能力を発揮する。ちなみに後輪駆動のみとなっている。
優れた走行安定性を実現
足まわりは、フロントにマクファーソンストラット式独立懸架、リヤはトレーリングリンク車軸式を採用。各ピラーをアンダーボディと結合した環状骨格構造を用いて実現したボディ剛性の高さ、さらにサスペンションジオメトリの最適化やストロークの確保したことも相まって、接地感ある上質な乗り心地と優れた走行安定性を実現している。
また、あらゆる路面環境で優れた静粛性を追求するべく、エンジンルームと室内を隔てるダッシュパネルにサンドイッチ鋼板を使用するなど、制振材・吸遮音材を効果的に配置している。乗員をもてなすことに注力したクルマらしい、乗り心地のよさ、走行中の静かさを味わえるというわけだ。
最新技術で車両周辺の状況確認をサポート
安全面では、歩行者(昼夜)や自転車運転者(昼間)を検知対象に加えたプリクラッシュセーフティ採用の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を全車に標準装備している。
大柄なクルマだけに、車両周辺の状況確認をサポートする能力は必須だ。この点についても、静止物を検知して衝突被害の軽減に寄与するインテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]、駐車場での後退時に左右後方から接近する車両を検知し衝突の可能性がある場合にブレーキを制御するリヤクロストラフィックオートブレーキ[パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)]を備え安全と安心をサポートする。
ほかにも、DCM(専用通信機)と8インチディスプレイオーディオを標準装備し、スマートフォンとの連携によって安心・便利なコネクティッドサービスを提供する。
乗る人をもてなすことに徹底してこだわった作りがなされたグランエースは、温泉旅館などの送迎といった用途を想定したモデルと言われている。だが、それだけではない。その大きな存在感は、アルファード&ヴェルファイア以上の迫力と豪華さを求める人たちの琴線に触れるクルマでもあるといえるだろう。