味わい深い旧車を集めました
大阪・南港で開催された「昭和レトロカー万博2019」は、旧車オーナーが自慢の愛車を展示するイベントで、コレクション級の個体もあったが、日常の足として家族とともに過ごしている生活感のあるレトロカーが多かったのも印象的だった。
昨今の旧車ブームで流通価格が高騰し、イベントでは稀少モデルに贅を尽くしたレストアをして美しい個体を見ることが多い。「昭和レトロカー万博2019」にもスカイラインなどの希少性もあって人気も高いクルマが多々あったが、今回は「あったよね〜」とちょっと身近で馴染みのあるクルマ中心に紹介しよう。
トヨタ・セリカ
1970年に登場した2ドアスペシャリティクーペ、トヨタの初代セリカ。初期モデルは、リヤコンビネーションランプがワンテールと呼ばれるストップランプとウインカーが赤だったが、1972年のマイナーチェンジでウインカーが独立。
1973年にはリフトバックを追加し、クーペよりボンネットが長いのも特徴のひとつだった。そして、1974年のマイナーチェンジではクーペのボンネットも長いタイプに変更された。
搭載エンジンは、ヤマハが開発した2T-G型1.6リッター直4DOHCのほか、1.4リッター直4OHV、2リッター直4DOHCを用意。”GTV”はもっともスパルタンなモデルだった。
日産・ガゼール
日産シルビア(日産サニー店)の兄弟車として1979年登場したガゼール(日産モーター店)。当時は販売店違いの兄弟車が多かったのだが、ガゼールは50代以上の方なら「西部警察」で石原裕次郎が乗っていたクルマ(特装のオープンモデル)として記憶に残っていることだろう。
どちらかというとスペシャリティカーというキャラクターで、クーペとハッチバックの2タイプのボディをラインアップ。1.8リッターと2リッターのZ型直4SOHCエンジンを搭載。このエンジンは、燃焼効率を高めるために1気筒あたり2本のプラグを採用しているのが特徴だ。後に1.8リッターにターボモデルも追加される。
いすゞ・117クーペ
今はトラックメーカーであるいすゞだが、当時はセダンのフローリアンやベレル、2ドアスポーツの設定をもつベレットなどさまざまな乗用車をラインアップしていた。なかでも流麗なフォルムで1968年に登場したのが117クーペ。初期モデルはリヤフェンダーなどを手作業で成型していたという逸話を持ち、そのボディデザインは、イタリア工業デザインの巨匠ジョルジェット・ジウジアーロが担当した。1977年のマイナーチェンジ前までのヘッドライトは丸目4灯式だったが、写真の後期モデルは角目4灯式に変更された。
搭載エンジンは1.6リッターから2リッターまでの直4。最上位モデルには2リッター直4DOHCという当時としてはスポーティなエンジンを搭載。しかし、もともとがスペシャリティカーだったこともあり、リヤサスペンションはリーフリジッドのままだった。
オートサンダル
2ドアという分類をしたため紹介。日本初の軽自動車規格の4輪車としてオートサンダル社が製造したクルマだ。排気量は349ccの単気筒。全長は約2mとコンパクトな2シーターで、展示されていたのは前期型と中期型とのこと。
エンジンは後輪より前に搭載していたのでミッドシップレイアウト。その始動方法はボディ右側にあるペダルをバイクのキックスターターのように踏み降ろしてエンジンをかけていたようだ。
グリフォン
日本のカロッツェリア・ワタナベが制作した「グリフォン」。いろいろで調べるとベースモデルは、ホンダS600で1970年に登場したクルマのようだ。
エンジンルームを見ると確かに縦置き配置された4気筒エンジンには、写真のようにホンダのロゴが確認できる。
ボディはFRP製でリヤガラスハッチなどを見ると繊細というか華奢な作りとなっていたが、それが国産車とは思えない流麗なフォルムを実現していた。
三菱・コルトギャランGTO
1968年に登場したギャランの2ドアクーペとして1970年に登場したのがギャランGTO。当時の三菱の名レーシングエンジンR39B型2リッター直4DOHCが搭載されるというウワサもあった。結果的には1.6リッター、1.7リッター、2リッターの直4SOHCエンジンと1.6リッター直4DOHCというラインアップだった。