動かさない、抜かない、作業しない
最近はタイヤの性能や道路整備が良くなって、パンクは起こりにくくなったものの、クギなどの落下物を踏んでしまうと、その確率はゼロではない。また、メンテナンス不良でのパンクは時代を問わず、発生する可能性はある。
「もしもパンクしたらどうするか?」。御法度行為を3つに絞ってまとめてみた。命に関わることもあるだけに、しっかりと心に留めておいてほしい。
【その1 クルマを動かさない】
バーストも含めて、パンクをするということはタイヤ本来の機能である、車体を支えるということができない状態だ。つまり、タイヤを通り越して、ホイールが直接路面に当たってしまう可能性があるとも言える。
そうなるとガリガリと振動や音が出てかなり不快になるが、気分的なものだけでなく、ホイールが使い物にならなくなるし、さらに無理して走るとホイールからタイヤが外れて、他車に当たる危険性もある。そうなると、賠償責任はこちらだ。
とにかく異常や違和感を感じたり、タイヤの空気圧の異常を知らせる警告灯が点灯したら、すぐにクルマを止めて確認するようにしよう。すぐに止まればホイールだけでなく、釘を踏んだ程度ならタイヤの損傷も避けられる可能性は高い。パンク修理可能な軽度な損傷にも関わらず、空気圧が少ない状態のまま走ると、タイヤを痛めつけてしまい、修理さえできなくなる可能性もある。とくに扁平率が低いタイヤだと、空気が少々抜けてもわかりにくいので、とくに注意が必要だ。
【その2 刺さったものを抜かない】
その1で”違和感を感じたらすぐに止めて確認”と紹介したが、パンクしてすぐに違和感を感じにくい理由のひとつに、最近のクルマはチューブレスだからというのがある。釘が刺さったとすると、チューブタイヤの場合はすぐに空気は抜けてしまうが、チューブレスはタイヤ自体が空気を保持しているので、すぐに抜けない。釘が栓をしている状態で、場合によって何週間もかかってゆっくりと空気が抜けてくることがあるほどだ。
早期発見するためにも日頃からタイヤの接地面のしなり具合を見るクセを付けつつ、空気圧を月に1回程度点検すると発見しやすい。
ただし、釘などの異物が刺さっているのを発見しても抜かなければある程度は走れるということにもなるので、慌てず安全な場所やタイヤ店などに移動すればいいだろう。
【その3 自分で交換や修理しない】
その昔はスペアタイヤ交換ぐらい自分でやれて当たり前、なんていうことを言っていたが、現在はできる・できないに関係なく、路肩に停めてスペアタイヤに交換したり、パンク修理キットを使うのはオススメできない。理由は走行車線を走るクルマがぶつかってくる可能性があるからで、実際に突っ込まれて亡くなった方もいる。NEXCOによれば、この手の事故は最近急増しているという。
もちろん安全な場所ならば自分で作業するのもいいが、路肩など少しでも危険なところではロードサービスを呼ぶこと。とくに高速道路は二次災害的な事故にもなりかねないので、自分で作業というのは考えないほうがいい。
そして、レスキューが到着するまで車内で待機するのではなく、必ずガードレールの外に出る。さらにクルマの後方で待つのが基本だ。前にいると、もし後続車に突っ込まれた場合、自分のクルマが飛んでくるかもしれないからだ。