競技専用モデルの特徴を知ればナットク
モータースポーツを始めるにあたって、ソフトウェアにおける必需品がヘルメットだ。ヘルメットには4輪用モデルと2輪用モデルがラインナップされているが、本格的な4輪競技に参戦するのなら、頭部の損傷などを守るだけでなく、車両火災のリスクに備えて耐火性能を高くした4輪用が必須となる。
4輪用モデルはフルフェイス型とジェット型の2種類がラインナップされており、好みに応じて選択が可能だ。
サーキット走行会などであればリーズナブルなエントリーモデルでも十分だが、JAF公認の公式競技に参戦するならば、「JAF規格」や「FIA規格」、「Snell(スネル)規格」に合格した公認モデルが必須となる。
当然ながら4輪用の公認モデルは、二輪用やエントリーモデルなどに比べると高価(5万円以上)。しかし、将来的に公式競技に出場したいのなら、最初に規定に合致した公認モデルを選ぶ方が、買い直しをするよりも結果的にリーズナブルといえよう。
4輪用フルフェイスは開口部が狭い
特に、フルフェイスタイプの場合は、4輪用は2輪用に比べて開口部が狭くなっているのが特徴。これは、車両火災が発生しドライバーが車内に閉じ込められた時に、耐火性能をより高めるためのものだ。
ほかにも、シールドが衝撃で外れたり開きにくくするなど、4輪用フルフェイスには耐火性能を最大限に発揮させるための工夫が施してある。これらの安全面を考慮すれば、4輪競技をやるのであれは、規定に合致したヘルメットが必須であることが分かって頂けると思う。
ジェットタイプにはフェイスマスクを
そして写真のジェット型の場合も、車内で火災が起こった場合に備え、耐火繊維製のフェイスマスクの着用が義務付けられている(または推奨されている競技がある)。こちらも競技規定を事前に確認し、規定に合致したものを選びたい。
*写真はスウェーデン人ラリードライバーのオリバー・ソルベルグ選手。
あわせてレーシングスーツやグローブ、シューズなどもカテゴリーに応じて耐火性能の高いモデルが必要となることから、こちらも規則書をチェックした上で規定に合致した公認モデルを選ぶようにしましょう。
さらなる安全性を高めるHANS対応モデル
ちなみに、現在は国際レースや国内の上級シリーズで「HANS(ハンズ)」の装着が義務付けられている。HANSとは、首に装着する安全装置のこと。頭部の前方方向の動きを抑制することで、追突時などの強い衝撃からドライバーの首を保護。装着するには、ヘルメットも固定用のアンカーが付いているHANS対応モデルを使う必要がある。
HANSの装着は、サーキット競技だけでなく、ラリー競技でもWRCはもちろんのこと、2021年からは全日本ラリー選手権でも義務付けられるなど、適用する競技は拡大傾向。将来的に、トップカテゴリーへのステップアップを目指すのならば、HANS対応のヘルメットも選択肢のひとつだろう。
正しい装着方法も必須
以上、簡単にヘルメットやウェア類のポイントを紹介してきたが、とあるレース関係者によれば
「どんなに高性能なヘルメットを購入しても、きちんと装着しなければ意味がないので、安全にモータースポーツを楽しむためにも正しい装着方法を学んで欲しい」とのこと。
アイテムを選ぶと同時に、各アイテムの装着方法も確認しておきたいものだ。