日産GT-R50 by Italdesignを初披露
今年で22回目の開催となる「NISMO FESTIVAL(ニスモフェスティバル)」が、静岡県・富士スピードウェイで行なわれた。コアなファンの集いともいえる同イベントは、NISMOにとってはレース活動の1年の締めくくりであり、日産としても重要な場となっている。今年は、GT-R&フェアレディZ50周年ということもあって、とくにこの2台の展示が目立った。
まず、注目したいのが、2020年後半からいよいよ納車が始まるという噂の「GT-R50 by Italdesign(イタルデザイン)」の展示だろう。
GT-R NISMOをベースに、エクステリアは変更されているものの誰が見ても「GT-R」と感じさせるアイコンは残されている。リヤビューは標準のGT-Rとは明らかに異なるが、丸形4灯のテールランプが採用されている。
その隣には、NISSANコンセプト2020 グランツーリスモバージョンも展示。グラマラスな未来的なフォルムを採用しつつも、ラジエータのVグリルは日産のクルマらしいデザイン。
フェアレディの変遷でポイントなる3モデル
そして記念すべき50周年を迎えたGT-RとフェアレディZの展示は、もともとレース系車両が多いニスモフェスティバルとしては数多くのGT-Rが集まっていたが、今回は初代フェアレディ、初代フェアレディZが展示されていたのが注目したいところ。
初代フェアレディZ(S30型)の展示車は「432(1969年)」。初代スカイラインGT-Rに搭載されたS20型2リッター6気筒DOHC4バルブエンジンを積むスパルタンモデルだ。
同じS30型フェアレディZで2.4リットル直6エンジンを搭載した240Zも注目の一台。レーシング仕様でGノーズと呼ばれる長いフロントバンパーのほか、オーバーフェンダーと1973年当時の姿を見事に復活させていた。
丸目2灯式ヘッドライトの初代と2代目フェアレディZから大幅なイメージチェンジをしたのが3代目だろう。角形2灯式ヘッドライトはハーフリトラクタブル。VG20ET型2リッターとVG30ET型3リッターのV6ターボエンジンを搭載する。
ハコスカ1.5リッターから4ドアGT-Rまで
7台のスカイラインがまとめて展示されていたが、GT-RはR33のみ。しかも通常の2ドアモデルではなく、限定車の「4ドアオーテックバージョン 40thアニバーサリー」だ。パワートレーンはR32型スカイラインGT-Rから搭載された名機RB26DETT型2.6リッター直6DOHCツインターボ。もちろんアテーサE-TSの4WDシステムを組み合わせる。
そのほか3代目C10型スカイラインは、2ドアと4ドアの2台が展示されていた。2ドアハードトップは2リッター直6SOHCエンジンを搭載する「2000GT-X(1972年)」。ホワイトリボンのバイアスタイヤにホイールキャップと、まるでタイムスリップしたような出で立ちだ。
4ドアは4気筒の1.5リッターモデルの「1500スポーティデラックス(1971年)」。このボディにレーシングマシンのR380が搭載したエンジンをベースにした、S20型2リッター直6DOHCを搭載したのが初代スカイラインGT-Rだ。後に2ドアにもS20型エンジンを搭載したGT-Rが登場する。
ジャパンの愛称をもつ5代目スカイラインは、角形2灯式ヘッドライトを採用した後期型2000GTの4ドア。このモデルでスカイライン初のターボエンジンが登場する。
登場当時は「C110以来のGT-R復活か?」とウワサされたのが、6代目R30型スカイラインRS。FJ20型2リッター直4DOHCエンジンを搭載し、写真はターボを追加したFJ20ET型エンジンを搭載した「スカイライン ハードトップ2000RSターボ」。4ドアモデルの設定もあった。前期型のRSは横バーのラジエータグリル。
初代スカイラインGT-RであるハコスカC10型の4ドアのレース仕様(1969)と前述のケンメリは、展示のみならずサーキット走行も披露された。
このほかにも会場内には、S-GTやGT選手権、グループAといった歴代レースカーがラインアップ。ニスモフェスティバルは、展示車だけでなくアクセル全開で走行するヘリテージマシンを見ることができるのが魅力のイベントだった。