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国産プレミアムSUVを代表する「トヨタ・ランドクルーザー」 登場から68年の歴史を振り返る

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TEXT: 片岡英明  PHOTO: TOYOTA、Auto Messe Web

新サスペンションの採用で乗り心地が向上

 60系の販売の中心はオーストラリアや中近東など、海外だった。が、日本でもアウトドアブームを追い風に、SUVのワゴン派が増加。この機を捉え、89年秋の東京モーターショーに出品したのが後継モデルとなる80系ランクルだ。ラダーフレームを受け継いでいるが、その上にひと回り大きな4ドアボディを被せた。サスペンションは、リーフタイプから4輪ともコイルスプリングのリンク式リジッドアクスルに進化し、快適性は大幅に向上。89年12月に発売を開始した。

 バンは直列6気筒のディーゼルエンジンだったが、ワゴンは4リッター直列6気筒OHVを搭載。92年にはワゴンのエンジンを4.5リッター直列6気筒DOHCにグレードアップし、電子制御4速ATを組み合わせた。96年から前席エアバッグシステムやABSを標準装備したことも大きなニュースとなった。また、本革シートを設定するなど、乗用車ムードの仕立てとなって高級感もアップ。ちなみにワゴンの駆動方式は、クラス初のフルタイム4WDを採用している。

 

レクサスでの販売も視野に入れ高級化

 1998年1月に100系ランクルが登場。レクサスブランドでの販売を視野に入れた100系は、ついに余裕あふれる4.7リッターV型8気筒DOHCを搭載する。同時にバンが積む直列6気筒ディーゼルも4バルブ化してドライバビリティを向上。サスペンションも卓越した走破性と快適な乗り心地を両立させるため、ダブルウイッシュボーンと縦置きトーションバーの組み合わせ。トップグレードは、3段階調整式のアクティブハイトコントロールサスペンションや電子制御のスカイフックTEMSを採用した。 また、ステアリングギアはラック&ピニオン式となり、99年夏からは挙動安定制御システムなどの電子制御安全デバイスを積極的に採用。トップグレードとして加えられた「シグナス」は、レクサスのランクル版である。

 

レクサスLSと同じ4.6リッターV8を搭載

 2007年9月には200系ランクルへとモデルチェンジ。悪路走破性と快適性だけでなく、安全性も大きく向上させている。心臓部はレクサスLS460と同じ4.6リッターのV型8気筒DOHC。この精緻なエンジンに副変速機付きの6速ATを組み合わせた。

 60系時代のランドクルーザーは、そのほとんどが海外で発売されている。昭和の頃はマニア以外には名前を知らない人が多かったが、平成の時代になると一気に知名度を高め、ランドクルーザー・プラドが三菱パジェロに代わってクロスカントリー4WDの王者に君臨する。

 強靭なラダーフレームと副変速機付きのトランスミッションにこだわり、本格派を追求し続けたランクルは、いつしか世界中のオフロードファンの憧れの的となった。そして2020年のオリンピックイヤーに新型ランドクルーザーが発表される予定。世界の悪路で活躍する300系の姿を見れる日はまもなくだ。

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