初代での稀少モデルは240Zや2by2
12月8日に静岡県・富士スピードウェイで開催された「ニスモフェスティバル」では、日産GT-R&フェアレディZ生誕50周年を記念したさまざまな催しが行われた。そのひとつにフェアレディZのオーナー専用の駐車スペースがイベントスペースに設けられ、歴代フェアレディZをずらりと展示。そこでオーナーズクラブの方に、ヘリテージ・フェアレディZの今について、さまざまな質問をしてみた。
「初代のS30型のオーナーは、若い頃に憧れていて、最近になって乗り始めた人も多いですね」とフェアレディZオーナークラブの方は語る。つまり、年齢層は高めであるのと同時に男性オーナーがほとんどだという。
「今のクルマに比べたら乗りにくいし、そもそもパワステではないので、ハンドルが重たくて女性では運転が厳しいこともありますね。また、自分なりに楽しめるのも良いところ。自分は3リッターのRBエンジンをS30に搭載しています」とその理由を教えてくれた。
また、フェアレディZも近年は旧車ブームの例に漏れず、価格も高騰しているそうだ。とくに2.4リットルエンジンを搭載するフェアレディ240Zは、もともとがアメリカで販売されていたモデルゆえ、日本国内での台数は少なくて極めて希少な存在。
フェアレディ240ZGが装着したGノーズと呼ばれる長いバンパーとオーバーフェンダーは人気のアイテム。それゆえ、ショートノーズと言われる標準モデルに後から装着した個体も多く、本物の240ZGは稀少だという。
昔は初代S30の2シーターモデルの人気が高く、それに比べるとリヤシートを持つ2by2は中古車価格は安かった。ところが、現在は残存する個体が少ないこともあり、希少価値が出ているそうだ。
1974年以降にアメリカで販売するクルマには、衝撃吸収機能を備えた5マイルバンパーと呼ばれる大型バンパーの装着が義務化。世の中では5マイルバンパーを装着したクルマ全体にデザイン的な拒否反応もあった時代なので、前出のオーナークラブの方に1978年に登場した2代目フェアレディZの評価を質問してみた。
「S130(2代目)は、正常進化だと考えています。確かにS30(初代)に比べると大きいと感じますが、それはメーカーが考えた時代の変化に対応したわけです。Z31(4代目)のV6エンジンにしても、それはフェアレディZであるわけで、それぞれの世代の良さがあるのもフェアレディZの魅力ですね」と言う。
フェアレディZは、アメリカでも人気のあるクルマゆえ、今回の専用駐車スペースにも逆輸入車が多々見受けられた。
さらに当時の日本車としては珍しく、2代目S130からTバールーフが採用されたのも、アメリカからの要望に応えたものと言われている。
そして1980年代には、輸出仕様車のパーツが憧れだった(いまで言うUSDM)。当時はネット通販などは存在せず、DATSANのエンブレムでも貴重なシロモノだったという。
最後に歴代フェアレディZでお宝なクルマとは?と質問したら
「432R(初代モデル)ですね。レース向けのベース車両なので、市販されたこと自体が不思議なモデルです。生産台数もなかり少なかったはず。ウインドウは軽量化のためにアクリル製で、イグニッションキーはセンターコンソールにあるのが特徴です」とのこと。