タニタ、飲酒運転に関する意識調査を実施
忘年会シーズンは「飲酒運転の検問」が増える時期だ。そんななか、健康総合企業の「タニタ」が、「飲酒運転に関する意識調査2019」を実施。全国の20歳〜69歳の仕事や通勤で運転するドライバー、かつ酒を飲む習慣がある1000人を対象に、飲酒と運転についての知識や行動、組織における飲酒運転の防止策などを調査した。
まず、社用車ドライバーの40.7%が「翌日運転するのにお酒を飲み過ぎてしまうことがある」と回答。理由として、お酒にまつわる嫌がらせや迷惑行為を指す「アルコール・ハラスメント(アルハラ)」を挙げた割合が3人に1人に迫るなど、飲酒運転防止に向けた組織風土の在り方に課題があることが明らかになった。
2018年から2019年にかけて航空・船舶業での運行従事者の飲酒に関連する摘発が多数したこともあり、航空業においてはアルコール検知器を用いた検査が義務化。最近では、警察官が二日酔いの状態で警察署の車両を運転したとして問題となり、懲戒処分になっている。こうした実態を踏まえ、「飲酒運転に対する世間の目は厳しくなっていると思う」と答えた社用車ドライバー・マイカー通勤者は94.5%に達するなど、飲酒運転への世間の厳しい目を感じているという。
一方、社用車ドライバーのうち4人に1人が「お酒が抜けきっていないと思いながら通勤や仕事で車を運転することがある」と回答するなど、飲酒に関する知識や飲酒運転の防止への意識に依然として課題があることも分かった。
また、社用車ドライバーが翌日運転することがわかっているのに、飲み会で飲み過ぎた理由として最も多かったのが「二次会・三次会と続いた」の44.6%。長時間におよぶ飲み会に起因するもので、「先輩・上司に飲酒を強要された」「イッ気コールがかかった」など、アルハラに該当する内容のいずれかを回答した社用車ドライバーは32.3%にも及んだ。
さらに、「お酒を飲んだ上司・先輩が運転して帰ろうとするのを止められるか」という問いには、12.9%が「止められないと思う」と回答。この「止められないと思う」と答えた人のなかで「運転をすると知りながらお酒を勧めると、罪に問われることがある」ということへの認知別を集計。すると、罪に問われる可能性を知っている人においては9.0%、知らない人は34.9%となり、4倍近くの差があることが明らかになった。なお、運転者が酒酔い運転で捕まった場合、同乗者や酒類提供者にも「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科せられることも改めて再認識してほしい。
飲酒運転に関する法制度への正しい理解があれば、飲酒運転を止めることに対して効果的なのかもしれない。一方で、「運転をすると知りながらお酒を勧めると、罪に問われることがある」と知っていても、同僚の運転を止められない、と答えた人が一定数いることも事実。二日酔いでの運転も含め、飲酒運転の防止には、ドライバー自身が飲酒について正しい知識を身に付け、飲んで運転をしないという意識を持つことが大前提だ。飲酒運転をさせない・防げる組織風土の醸成や飲酒運転を防止するチェック体制の整備など、ドライバーを取り巻く環境からの対策も必要だと推察できる。
これからの忘年会シーズン。言うまでもなく「飲んだら乗るな」は基本に、お酒は控えめに。早いピッチでの飲酒や、人に対しての強要はせずに楽しんでほしいものだ。
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