発売開始から10周年を迎えたVITA-01
12月7日(土)~8日(日)、三重県・鈴鹿サーキットで開催された鈴鹿クラブマンレースの最終戦が開催された。そのレース区分のひとつである「クラブマンスポーツ(CS)」は、三重県鈴鹿市に拠点を置き、古くから数々の名レースマシンを手掛けてきた日本のレース・コンストラクターのひとつ、ウエストレーシングが製作する200万円台から購入できる「VITA-01」を使ったワンメイクレース。低コストということもあり、エントリーレースとして日本各地で同様なレースが開催されている。
車両は非常に軽量で、そのボディサイズは全長3712×全幅1600×全高1070mm、ホイールベース2200mm、トレッドは前1390/後1440mmとなる。フロントフェイスは異なる3種類のタイプ(Type A/Type B/Type J)のカウルを用意。価格はユーズドエンジンで車両単体で286万円とローコストであることも大きな魅力だ。
2010年の発売開始から10年、すでに240台ものこのVITA-01が製造されているという。当初は鈴鹿でのシリーズ戦としてスタート(異なるクラスのマシンと混走)。現在はワンメイクレースとして、鈴鹿ではクラブマンレース(CS)、富士スピードウェイがFCR-VITAと、十勝スピードウェイ(北海道)から、ツインリンクもてぎ(栃木)、筑波サーキット(茨城)、袖ケ浦フォレストレースウェイ(千葉)、岡山国際サーキット(岡山)、そして今シーズンからはオートポリス(大分)も加わり、全国7つのサーキットで年間37戦ものレース(2019年シーズン)が行なわれている。そのほか、女性ドライバーだけでレースを行うKYOJO-CUP(競争女子選手権)や、往年の名ドライバーがイコールコンディションでレースを行うレジェンドカップのマシンとしてVITA-01は使用されている。
また、日本国内だけでなく、中国、さらにフィリピンでも2018年からシリーズ戦が開催されてもいる。2019年の最終戦となった鈴鹿クラブマンレースには、フィリピンからの参戦者もエントリーした。
さらにはそのステップアップ版としてトヨタ4A-G型1.6リッターエンジンを搭載するWEST 16Cも3年前から発売。鈴鹿サーキットでのクラブマンレースでは、このマシンを使用する「CS2」というカテゴリーのレースが開催されてもいる。
ちなみに8周で行われる今年の鈴鹿クラブマンレースには30台が参戦。眞田拓海選手(No.0 spr犬猫殺処分0号VITA)が見事優勝した。
2020年シーズンも、この入門用レーシングマシンの活躍するシーンを各地で見ることができるだろう。