「日産」主催、高速道路の苦手ポイント克服講習
日産自動車は12月14日、高速道路の運転が苦手なドライバーを対象に、車線変更や合流などを安全に走るコツを運転教習のプロが教える「#脱・高速道路ナーバス 2020年の高速教習」をグローバル本社ギャラリー(神奈川県横浜市)で開催。帰省などでクルマ移動の機会が増える年末年始を前に、安全運転を訴求するイベントだった。
このイベントは、日産が先日発表した「#高速道路ナーバス」というアンケート調査結果に関連したもの。その調査では、運転免許取得者の4人に1人が高速道路を走ることが苦手。毎週運転するベテランドライバーでさえも、6人に1人が「高速道路にできれば乗りたくない」と思っていることが判明した。
さらに、この意識を同社は「高速道路ナーバス」と命名。今回は、その「高速道路ナーバス」の人たちの中でも、特に苦手な人が多い高速道路での「合流」や「車線変更」などにスポットをあて、それらを克服する方法を紹介するというものだ。
講師には、テレビなどでもおなじみ、“運転のカリスマ”と呼ばれる東京ペーパードライバー教習所の佐藤徳孝所長を招き、実際に運転のコツについて紹介された。
合流は側道のどこから本線に入る?
まずは合流について。佐藤所長によると、合流が苦手な人には「本線に入る位置」が間違っていることが多いという。合流では、高速入り口やPA・SAなどから側道を走り本線に入るが、その位置はできるだけ奥(側道が終わる直前)がいいという。
これは本線に入る位置があまり早すぎる(手前すぎる)と、加速が十分にできないのはもちろん、本線を走るクルマの存在や速度を確認する余裕がないため。
また、本線を走るクルマのドライバーにとっても、側道から合流しようとするクルマを発見する時間が短いため認識しづらく、譲るために速度を落とすといった操作もやりにくいためだ。
さらに、佐藤所長によると「本線が優先だと思っている人が多いが、実はどちらでもない。安全のためには本線側が譲るなど臨機応変の対応が必要」だという。
車線変更は追い越し側のクルマ後方へ
次は車線変更のポイント。佐藤所長は
「走行車線から追い越し車線へ入るときは、変更しようとする車線を走行するクルマの後ろに入るのが基本」と解説する。
また、車線変更が苦手な人には
「追い越し車線を走るクルマとの距離だけをドアミラーで確認し、そのクルマの前に入ろうとする人が多いのですが、実際は距離だけでなく、相手のクルマとの速度差も重要になります」という。
これは、例えば、自分のクルマが時速80キロ、追い越し車線を走るクルマが時速100キロで走行していた場合、追い越し車線のクルマとの距離だけを測り、前に入ろうとするのは、相当に加速する必要があるなど難易度がかなり高い。また、危険でもある。
だが、追い越し車線を走るクルマの「後ろ」に入ることを常に意識するだけで、速度を上げるなどの操作が不用となり車線変更はかなり楽になる。また、これにより心理的余裕も出てくる、ということだ。
また、後方から追い越し車線を走ってくるクルマと、自分のクルマの速度が同じ程度だった場合も、自分のクルマの方が一旦減速し、そのクルマをやり過ごしてから後方に入ることで、より安全で安心できる車線変更が可能だという。
運転支援技術と運転技術の両方が安心・安全を生む
イベントでは、ほかにも日産自動車 日本マーケティング本部 ブランド&メディア戦略部の松村眞依子氏も登壇。前述の調査で、高速道路に苦手意識を持つ人の中で、8割以上が「運転支援技術が搭載された自動車に期待している」と回答したことを紹介。
また、期待する運転支援技術の中では、特に「速度を調整して車間距離の維持」、「車線の中央を維持するようにしてハンドル操作」、「車線変更のアシスト」の3点が上位を占めていることも発表した。
松村氏は、日産がリーフやエクストレイル、セレナ、デイズなどの車種に、それら注目機能に対応した「プロパイロット」を搭載していることに言及。また、一定条件下で高速道路での手放し運転も可能とした、スカイラインに搭載する「プロパイロット2.0」などを紹介した。
これに対し、東京ペーパードライバー教習所の佐藤所長は「高速道路が苦手な人の多くは、運転に不安や恐れがあるからです。それらを克服するには、ドライバーの運転技術というソフト面の向上はもちろんですが、クルマの運転支援技術というハード面の進化が加わることで、よりクルマに乗ることの安心と安全が生まれるはずです」とコメント。今後の技術進化に対する期待などについても語った。