ドリフトマシンから耐久仕様までチェック
2019年5月に17年ぶりの復活を遂げたトヨタのスポーツクーペ「スープラ」。今回、スープラをベースとしたレーシングマシンが、トヨタのモータースポーツ・ファン感謝祭「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2019」に大集結した。ドリフト競技のD1グランプリからドイツのニュルブルクリンク24時間耐久レース、さらにアメリカのNASCAR(ナスカー)などで活躍したマシンたちの勇姿をお届けしたい。
なお、後編には3台のドリフトマシンによる迫力の走行動画を紹介しているのでお楽しみに。
【GRスープラDrift by HKS】
まずは、チューニングパーツメーカーの「HKS」がチューニングを施したドリフトマシン。富士スピードウェイに姿をみせたのは、2019年7月にイギリスで開催されたカーイベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」にてデモランなどを行なったマシンだ(ドライバーは谷口信輝選手)。
ベースは、トヨタのスポーツカー・ブランド「GR」がリリースするGRスープラ。エンジンは、トヨタでチューニングの実績を持つ2997ccの直列6気筒2JZ-GTEをベースに、排気量を3352ccに拡大。クランクシャフトやオリジナルのタービンなどに換装することで、最高出力を340psから700psへ大幅アップされていた。
ワイドボディやシャープなエアロバンパー、大型GTウイングにくわえ、フロント255/35-19 、リア285/35-20という超ワイドなタイヤをセット。大迫力のフォルムを生み出していた。
【GRスープラMONSTER Edition】
こちらもドリフトマシン。国内最高峰のドリフト競技D1グランプリの2019年シーズンに、斎藤太吾選手のドライビングで参戦した1台だ。
排気量は3.4Lにアップ、前述のHKS製ピストンやコンロッド、クランクシャフトなどを装備し、大幅なパワーアップを実現。最高出力は未発表だが、一説には800psは出ているという。
ワイドフェンダーや大きな開口部を持つフロントバンパー、清涼飲料水ブランドであるモンスターエナジーのカラーリングなどでレーシーな雰囲気が満点。こちらも来場者の注目を集めたド迫力な仕立てだった。
【ニュル24時間耐久レース出場マシン】
トヨタのモータースポーツ部門「GAZOO Racing」が、2019年6月にドイツで開催されたニュルブルクリンク24時間耐久レース 2019に出場した時の、いわゆるワークスマシンがこちら。
ドライバーには、佐々木雅弘、ウヴェ・クリーン、ヘルフィ・ダーネンスの各選手、そしてモリゾーこと豊田章男社長も実際にステアリングを握り、総合41位を獲得したことは記憶に新しい。
マシンは、やはりGRスープラがベース。最高出力などはノーマルと同じ340psで、ほぼ市販車と同じ仕様だ。にもかかわらず、長時間のレースを見事完走したことで、高いポテンシャルと耐久性を証明した。
【NASCARマシン】
巨大なオーバルコースをハイスピードで駆け抜ける、アメリカで大人気のNASCARに参戦したスープラ。このマシンは、日本人チームオーナーである服部茂章氏が率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」が、「NASCAR XFINITY SERIES(エクスフィニティ・シリーズ)」の2019年シーズンにスポット参戦した時の仕様だ。
エンジンは、排気量5866ccのOHV・V8気筒に変更し、最高出力は700ps。ボディサイズも、全長をノーマルの4380mmから5175mmへ、全幅は1865mmから1905mmへそれぞれアップし、こちらも迫力のフォルムをみせてくれた。
スープラのドリフトマシンが共演!
なお、当日のイベントでは、スープラのドリフトマシン3台が、富士スピードウェイのメインストレートでドリフトのデモランを披露。
谷口選手が操る「GRスープラDrift by HKS」、斎藤選手の「GRスープラMONSTER Edition」、それに川畑選手が駆る「Team TOYO TIRES DRIFT GRスープラ」による迫力のシーンが楽しめた。
下の動画に迫力の走行シーンをアップしているので、ぜひご覧いただきたい。