憧れだったモデルも射程圏内に
クルマが好きになった人の原体験は、父親のクルマだったり働くクルマだったりといろいろだろう。だが、いまの40~50歳代の多くのクルマ好きの原体験は「スーパーカー」ではないだろうか。いまから40年ほど前の1970年代後半に突如として巻き起こった『スーパーカーブーム』では、池沢さとし氏の漫画「サーキットの狼」で存在を知り、全国各地で開催されたスーパーカーショーで実車を目の当たりにし、日本中の少年たちが熱狂した。
その頃、スーパーカー少年だった多くの子供たちはこう思った。「将来、大人になったら絶対にスーパーカーに乗る」と。この夢をどれだけの人が実現できたかわからないが、ここではまだ夢の途中であるかつてのスーパーカー少年たちに、スーパーカーのオーナーになるという夢のお手伝いをすべく、低予算で狙えるモデルを紹介したい。
ポルシェ911ターボなら400万円から
もしも500万円を用意することができるなら、1990年代から2000年代のちょい古なスーパーカーが狙い目だ。例えば2000年デビューの996型ポルシェ 911ターボ。水冷エンジンとなった最初の911である”996型”は、最後の空冷エンジンという”993型”の高騰を尻目に、不当なまでに評価されておらず、フラッグシップのターボでも400万円台から狙える。
最高出力420馬力のパフォーマンスは、間違いなくこの予算で狙えるクルマとしてトップクラスだろう。
アウディのハイパフォーマンス”R8″も500万円
そんな996型911ターボにも負けないパフォーマンスを誇るのが初代アウディR8。2006年に発売されたアウディR8はアウディが初めて手掛けたスーパーカーで、420馬力のV8をミッドシップにマウント。プラットフォームをランボルギーニ・ガヤルドと共有しているという意味からも、正真正銘のスーパーカーだ。
初期モデルの価格が500万円ほどまで下がってきたので、もしも運よく見つけることができたら間違いなく買いだろう。
アメリカンハイパワーも予算400万円から狙える
純粋な速さという面では、もしかしたら996型911ターボや初代アウディR8よりも速いかもしれないのが6代目シボレー・コルベットZ06(C6)。2006年に登場したコルベットZ06は、ベースモデルの排気量を1リッター拡大した7リッターのV8エンジンを搭載。発せられる最高出力は511馬力で、大排気量という利点を生かした怒涛の加速が魅力だ。予算は400万円台から。
ダッジ・バイパーなら400万円台後半から
同じくアメリカ車では初代ダッジ・バイパーも圏内。2001年に登場したバイパーは、406psの8リッターV10をフロントに搭載。当時、同じクライスラー・グループの傘下にあったランボルギーニもその開発に協力したとされるスーパースポーツだ。
オープンのRT/10とクーペのGTSがあるが、おすすめは出力が456馬力までアップされた”GTS”。予算は400万円台後半から狙える。
ここまで輸入車が並んだが、日本車からもピックアップすると、日産GT-Rの初期モデルや初代ホンダNSXのATならば300万円台から狙える。当時の日産とホンダの持てる技術を集めた1台がかなり現実的な価格になっているのは夢がある。
1000万円クラスならばテスタロッサが買い時?
さて、もしも予算を1000万円まで用意することができるなら、スーパーカーの代表的モデルも射程圏内に入ってくる。まずはスーパーカーの王様フェラーリから。V8モデルなら308から430までの歴代モデルが予算内だ。
旧車としての価値も認められている308や328、高年式で乗れそうな360や430など、好みに応じて選べるのもうれしい。一方、V12モデルなら456、550、575、612、599あたりも圏内だが、目玉はやっぱり「テスタロッサ」だろう。
テスタロッサはV12エンジンをミッドシップ搭載するという、まさにスーパーカーの典型のようなパッケージ。すでにフェラーリ自身が由緒正しいヒストリックカーであることを承認する「フェラーリ・クラシケ」という制度の対象にもなっており、相場は値上がり傾向に。手に入れるなら少しでも早いほうがいいだろう。
ランボルギーニならガヤルドがオススメ
スーパーカーブームの頃、フェラーリと人気を二分したランボルギーニも、1000万円という予算があれば5リッターV10で500馬力の初期型ガヤルドを狙える。おなじみのドアは上にスライドしないが、歴代ランボルギーニでもっとも多くの台数が販売された実績が証明するように、ランボルギーニらしさと信頼性の高さは折り紙付きだ。
その他にも、メルセデスAMG GTやBMW i8、アルピーヌA110などの現行モデルが狙えるのも1000万円クラスの特徴。少年の頃の夢、今こそ叶えてみてはいかがだろう。