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「福祉車両」の装備は介護以外でも実は便利!中古車を選ぶときのポイントとは

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TEXT: 諸星陽一  PHOTO: Auto Messe web編集部

装備の故障の有無と走行距離は要チェック

 福祉車両の中古車を購入するかどうかで迷っている人は意外と多くいます。迷いの理由のひとつは、福祉車両として使う必要がなくなったらどうしたらいいか? そこで、福祉車両は介護以外の日常のクルマとしては使えるものなのか、中古車を買うときのチェックすべきところを検証してみましょう。

 たとえば、助手席や後席が回転し、高齢者や障がい者が乗り降りしやすいようにシートが車外に出てくるリフトアップシート。これは、基本的に、そのまま使っても何の問題もありません。

 着座している時のリクライニング量に制限が付き、完全に背もたれを倒すことができないタイプもありますが、普段の使い勝手ではさほど悪くありません。急に体調が悪くなった方などを病院に運んだり、和装の人を乗せるときには、かえって便利な場合さえあります。

 一方、ラゲッジスペースに設けられた車いす積載用のクレーンなどがあるクルマの場合。これも、ちょっとした重い荷物を積むときに便利です。といってもさほど実用性はないので、取り外してしまうことも可能です。

 車いすを車内に乗せるスロープやリフトが付いたミニバンなどの福祉車両の場合は、自転車などを乗せるときに便利で、重たい荷物を載せた台車を車内に入れることもできるなど、驚くほど実用性があります。ただし、これらに使おうとする場合は、スロープやリフトの耐荷重が何kgなのかをしっかりと考慮する必要があります。

 

中古の福祉車両を購入する際の注意点

 中古の福祉車両を買う場合は、走行距離に注意しましょう。個人が通院や送迎などに使われていた福祉車両は、走行距離が短いものが多いのですが、そういったクルマには要注意です。2日に1回、2km程度を往復などという使われ方は、実は意外にシビアコンディションです。それはエンジンを始動しては止めるというのを繰り返すわけで、例えばバッテリーが弱っているなど、購入後に修理が必要になる場合もあります。距離より時間的な(半年に1度または1年に1度)の定期的オイル交換がされているかで、エンジンのコンディションにも差が出てくるはずです。

 福祉車両の中古車は比較的安価で販売されていますが、年間で5000km程度以上走っているクルマのほうが一般的には状態がいいことが多いと考えられます。また、走行距離が短くても、前述のようなリフトアップシートやリフト、ニールダウン(リヤサスが沈み込む機能)などの装備の使用頻度は高い可能性あるので、故障がないか動作チェックもしておきましょう。

 福祉車両は、一定の条件を満たせば、中古車でも消費税が非課税になります。ちなみに、条件とは以下の通りです。

1)車いすと車いすの方を乗せられる自動車

 車いす等を車両に載せるための昇降装置、およびその車いす等を固定するために必要な装置を装備した車両

2)身体の不自由な方が運転できる自動車

 身体の不自由な方が運転できるように補助手段が施されている自動車

 こういった税制面でも福祉車両にはお買い得感があるといえます。次のクルマを購入する際に、候補のひとつに挙げてみてはいかがでしょうか。

 

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