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コンパクトサイズの「福祉車両」 家族の送迎にも使えるパーソナルユースな5台

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TEXT: 諸星陽一  PHOTO: トヨタ、ダイハツ、マツダ、ホンダ、日産、Auto Messe Web

軽自動車から5ナンバー車、スポーツカーまで

 福祉車両と言っても、福祉施設や作業所などの送迎で使われているマイクロバスや、デイサービスの送迎に使われているワンボックスカーなど、そのタイプはさまざま。しかし、家族に高齢者や障がい者がいる一般家庭で、病院などの送迎などのために使うとなると、大型の福祉車両は向いていません。そこで、今回は自動車メーカーが出しているコンパクトサイズの福祉車両を紹介しましょう。

5ナンバーサイズならシエンタ

 まずは、5ナンバークラスの福祉車両。特に、トヨタはこのサイズの福祉車両を数多く販売しています。中でも、とくに見逃せない存在が「シエンタ車いす仕様車」です。
 ベースはコンパクトなシエンタなので車体の取り回しは申し分がありません。車いすの積載もラクラク。リアゲートを開けて、スロープを使って車いすを乗せることが可能デス。しかも、エアサスペションを採用することで、車体後部の車高を下げ、スロープ角度をなだらかにすることができるのです。
 2列目の助手席側セカンドシートの有無などで3種類のタイプを用意していますが、いずれも車いすの方1名のほか3名乗車というスペック。このような使い方には最適な1台と言えるでしょう。

 

軽自動車ではダイハツとホンダがおすすめ

 軽自動車の福祉車両で充実しているダイハツ。アトレー、タント、ハイゼットの3機種にはスロープモデルが用意されますが、とくに特徴的なモデルとなっているのが「タント・ウェルカムシートリフト」というモデルです。
 助手席が回転して車外にせり出すタイプの福祉車両ですが、タントは助手席側のセンターピラーがない「ミラクルオープンドア」を採用。そのため、非常にゆったりとした状態で乗降が可能となります。

 ホンダも福祉車両を積極的に展開。さまざまなタイプの福祉車両を用意していますが、軽自動車では車いすの乗降がスロープで可能な「N-BOX車いす仕様車」が非常に使い勝手がいいものとなっています。

 N-BOXは、標準モデルから室内への積載を考慮した多彩なシートアレンジが可能。スロープモデルとした場合も高いクオリティが保たれています。

ハイブリッドのコンパクトカー

 日産も様々な福祉車両を用意していますが、燃費やコンパクトなサイズを考えると、注目なのが独自のハイブリッド機構を搭載した「ノートe-power」に設定されている「助手席回転シート」仕様です。
 高齢者や障がい者などの乗り降りを楽にするために、助手席が65度の角度で回転する仕様で、足を乗せるフットレストも標準装備されています。
 しかも、ノートe-powerは、エンジンで電気を発電し、その電気を使ってモーターを駆動するクルマ。燃費がいいだけでなく、電気自動車ならではの力強くスムーズな加速感や走りが特徴です。街中のちょっとした移動でも、運転する方はもちろん、助手席に乗る方も快適な乗り心地を味わえるでしょう。

自分で運転したい方にはロードスター

 最後の1台はマツダの「ロードスター」。クルマ好きの障がい者の方などが、自分でスポーツカーを運転するための装備が付いた「手動運転装置付車」が設定されています。
 足の不自由な方がドライブできる”ハンドドライブモデル”で、ベースはロードスターのRFという電動ハードトップを持つモデル。「あらゆる人に走ることを楽しんでもらいたい」というマツダの気持ちが一杯に詰まったクルマということで、こちらも5選の1台に加えさせてもらいました。

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