依然として自動車関連犯罪が多い大阪
2001年に自動車の盗難及び盗難自動車の不正輸出を防止すべく「自操車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチーム」が設置された。これは、総合的な対策について検討するため、警察庁、財務省、経済産業省、国土交通省の関係4省庁と日本損害保険協会、日本自動車工業会など民間19団体からなるもの。大阪府下でも自動車盗難認知件数が2003年まで20年連続最多であったことを受けて、自動車盗難等の防止対策を協議する場として、大阪府警および自動車・運輸・税関・保険等の関係団体などで「大阪府自動車盗難等防止対策協議会」を設立した。
車上狙いやバイク盗難は全国ワースト
「大阪府では『自動車盗難』『車上狙い』『部品狙い』の自動車に関連する犯罪の認知件数は、ピーク時の5分の1まで減少しています。ですが全国の認知件数と比較すると、依然として自動車に関連する犯罪が多発しているのが現状。2018年のデータによれば、自動車盗難は全国2位、車上狙い、部品狙い、オートバイ盗難は全国最多となっていることから、自動車オーナーは被害にあわないように何らかの対策を施すことが必要です」と狩野さん。
増加する新たな自動車窃盗
最近の自動車盗難はハイテク化が進んでいて、スマートキーの電波を受信して増幅し、同じ電波を出すことでドアロックを解除、クルマごと乗り逃げする『リレーアタック』と呼ばれる手口が増加。この盗難手法は、テレビのニュースでも取り上げられてのでご存知の方も多いだろう。この手法だと、クルマに備えられているイモビライザーも役に立たず、簡単に乗り逃げできるため、自宅駐車場でも安心はできない。対策としては、スマートキーを持ち歩く時は電波を遮断するケースに入れたり、自宅では金属製の缶にスマートキーを入れ玄関に置かないなどが有効とされているそうだ。
「犯罪に使われるケースが多いため注意したいのがナンバープレート盗難です。盗まれたナンバープレートは犯行時や逃走時に使用したりと、別の犯罪に使用されるケースもあるため要注意です。ナンバープレート盗難防止用のネジが発売されているので、ぜひとも装着しておきたいものです」と狩野さんは警鐘を鳴らす。
さらに狩野さんは「あと意外に多いのがトラックのバッテリー盗難。大型車のバッテリーそのものが高価で、即金性があり、取り外しも容易なことから、ムキ出しで装着されているトラックのバッテリーも多く狙われています。バッテリー盗難が増加していることから、盗難防止用のバッテリーロックナットも発売されているので、トラックを使用する個人様や事業所は対策しておくといいでしょう」と語る。
自動車盗難や車上ねらい、部品ねらいなどに対する防御策としては、昔から言われているクルマから離れる時は、少しの間でもロック(施錠)をすること。さらに車内に荷物を置いていかないこと。駐車場は見通しが良く照明の明るい駐車場を選ぶなど、基本的な心構えを守ることと、盗難防止ネジやカーセキュリティを装着するなどの対策を講じることが大切だ。「自分に限ってはありえない」とは思わず、被害にあう前に対策をしっかりと施しておきたい。