現代に復活してほしい装備もあった
オプションパーツといえば、愛車の付加価値をオーナーの好みに合わせて色々と選べる世の中。かつてはレザーシートなど贅沢思考のオプションばかりかと思ったら、真面目に使い勝手を考えた装備もありました。
例えば、電動ワイパー。日産・レパードに採用されたフェンダーミラーに設定されたり、トヨタ・マークII(81系)ではドアミラーへの視界をよくするために「サイドウィンドウワイパー」なんてオプションが存在。雨繋がりといえば、日産・パルサー3ドアではドア開口部のボディ側(ストライカー金具の上側)に穴が設けられており、そこへ専用の傘を収納できるという仰天オプションが用意されてました。
他にもスカイライン(R30)の「傘入れ兼用のドアポケット」は、ドア内側のポケットに備わっており、傘に付着した水滴が車外へ流れていくように工夫されていたとか。設計開発者のアイディアも虚しく絶滅しましたが、いまではロールスロイスで採用(こちらはドア内部に収納)。傘ポケットは庶民にとって遠い存在となりました。
さらに、女性をターゲットにした装備としてユニークなのが、スズキ・アルトにあった「回転ドライバーズシート」。運転席が外側へ60度回転して、スカートを履いた女性でも乗降しやすいようにアシスト。当時のCMでは、女優や歌手で活躍した小林麻美さんが回転シートに乗り込んでアピールしていました。いまや回転シートといえば、福祉車両で見かける程度ですが、高齢者ドライバーにも使える装備なのではないでしょうか。
こちらも”シート繋がり”ですが、三菱・初代パジェロに設定された「サスペンションシート」という変わり種。運転席下にスプリングが装着され、シートでもショックを効果的に吸収。オフロード走行に効果テキメンと思いきや、車体の揺れとシートの揺れが重なってしまうことで不評だったみたいです。
サイドに日産・スカイライン(R30)にあった「スペアタイヤの空気圧警告灯」。名の通り、スペアタイヤの空気圧が一定レベル以下になると警告灯で知らせてくれるというもの。安心感で言えば”あるとマシ”というレベルであり、そもそもスペアタイヤが激減したので消滅。こちらもお見かけしなくなりました。
次に日産・パルサーに用意されたオプション装備「トラクションモニター」は、走行時のトラクション状況(前後)がひと目でわかるというスグレモノ。とはいえ、わかったところで補正できる運転技術が乏しいドライバーには宝の持ち腐れだったかもしれません。
モニターではないですが、マツダ・ファミリア(BF系)に設定された「文字を表示するハイマウントストップランプ」も絶品オプションといえるでしょう。後車に向けて”どうぞお先に”とか”サンキュー”の文字でドライバーの気持ちをアピール。いま復活すれば「サンキューハザード」に代わる装備として注目されるかもしれませんね。
いかがでしたか? 初めのうちは使って楽しかった装備かもしれませんが、その必要性がなくなったり、同乗者や周囲の反応もイマイチ。様々な理由で淘汰されてきましたが、なかには「いまとなれば使えるかも!」と思えるようなオプションもあったのではないでしょうか。