予算額を超過次第に募集終了
近年、増加傾向にある高齢者ドライバーによる交通事故。この問題への取り組みとして政府が閣議決定した令和元年度補正予算案に「サポカー補助金」を盛り込んだ。そして、国土交通省と経済産業省はこの「サポカー補助金」において、新車新規登録(普通車)、新車新規検査届出(軽自動車)された自動車を対象に、その対象車種とグレードを公表している。
「サポカー補助金」とは、65歳以上の高齢運転者が対象の補助金。衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い急発進等抑制装置を装備した「安全運転サポート車(以下サポカー)」を購入する際に交付されるもの。政府は、補助金によって高齢者ドライバーへのサポカー普及を促進し、交通安全対策の一環となることを期待している。
そこで気になるのが具体的な「補助金額」。”衝突被害軽減ブレーキ”および”ペダル踏み間違い急発進等抑制装置”を搭載する車両では、新車新規登録(普通車)が10万円、届出車(軽自動車)が7万円、中古車が4万円。”衝突被害軽減ブレーキ”を搭載する車両は、登録車(普通車)が6万円、届出車(軽自動車)が3万円、中古車が2万円の補助を受けることが可能。申請総額が予算額を超過次第に募集終了となっている。なお、国土交通省のwebサイトでは、補助金の対象となる車種・グレードについて、国産車と外国車の一覧を公表しているのでチェックしてほしい。
そこで、衝突被害軽減ブレーキについて改めて説明しよう。車両のカメラやレーダーにより周囲の状況を監視し、衝突のおそれがある場合には衝突警報により運転者にブレーキ操作を促すというもの。それでも運転者がブレーキを操作せず、衝突を回避できないと判断された場合に、緊急的にブレーキを作動させるというものだ。
なお、後付するアフターパーツ(ペダル踏み間違い急発進等抑制装置)も対象。こちらは”障害物検知機能付き”の補助額は4万円、”障害物検知機能なし”の補助額は2万円を受けることができる。
ちなみに、国土交通省のwebサイトにおいて、「衝突被害軽減ブレーキが作動する」と過信して事故に至ったのではないかと疑われるケースが増加していることも公表。数年で進化している衝突被害軽減ブレーキとはいえ、機能の限界があり、”状況によっては作動しないこともある”と記載している。衝突被害軽減ブレーキの作動の有無にかかわらず、「安全運転の責任は運転者本人」にあることが説かれているので、過信せずに細心の注意をはらって運転してほしい。
【詳しくはこちら】
国土交通省HP(サポカー補助金の対象となる車種・グレードについて)http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha07_hh_000329.html