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クラウンからコルトまで! 1950〜60年代の黎明期に世界舞台を開拓した日本のラリーカーたち

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田了、日産自動車、トヨタ自動車、三菱自動車

東アフリカサファリラリーで大活躍

【1966年 ダットサン・ブルーバード 1300SS(P411)】

 初の海外ラリーとなった1958年のモービルガス・トライアルに、ダットサン1000(210系)でクラス優勝した日産は、以後もラリーへの参戦を計画。しかし、同イベントは58年限りで休止となったために、同様の過酷なラリー、アフリカ大陸の灼熱のオフロードを走破することで“カーブレイカー”とも評されるサファリラリーへと参戦イベントをコンバートしました。

 そして63年から参戦開始。初年度の競技車両は310系ブルーバードでしたが、2年目となった64年には410系ブルーバードがデビューします。さらにその後には総合優勝を飾って“真打ち”と呼ばれる510系ブルーバードが登場しますが、65年にスポーツモデルの1300SSが追加された410系もポテンシャルを大きく引き上げ、66年の第14回イーストアフリカン・サファリラリーでは4台の1300SSが参戦。うち1台が総合5位/クラス優勝を飾ることになったのです。

 

三菱はコルトで総合4位という快挙を達成

【1967年 三菱コルト1000F】

 1990年代には世界ラリー選手権(WRC)にランサー・エボリューションを投入し、ワールドタイトルをも手に入れることになる三菱の海外ラリー挑戦も、60年代に始まっています。

 三菱が挑戦の場に選んだのはオーストラリア。58年限りで休止となったThe Round Australia Trial(オーストラリア周回トライアル)に代わり、66年に第1回大会が開催されたサザンクロスラリーが、その舞台に選ばれました。

 67年に開催された第2回大会から参戦することになった三菱は、先ずはコルト1000Fを競技車両に決定。当時は三菱自動車が誕生する前で、三菱重工業の水島製作所で開発されたモデルは、誕生当初こそ2ストローク3気筒の800ccエンジンを搭載していましたが、66年には名古屋/京都製作所で開発誕生したコルト1000用の4サイクルの1リッター直4エンジンにコンバートされています。

 オーストラリアのディーラーチームが主体となって参戦したコルト1000Fは、小排気量ながら大健闘。総合では5位、1000cc以下のクラスでは優勝を飾りました。その後、70年代に入りアンドリュー・コーワンがコルト・ギャラン、ランサーでサザンクロス・ラリー4連勝を遂げてゆくことは有名な物語です。

 

第37回ラリー・モンテカルロに参戦

【1968年 トヨタ1600GT】

 1957年のモービルガス・トライアルに、クラウンで海外ラリー挑戦の第一歩を示したトヨタ。そこから次の一歩までには10年以上もの歳月が流れてしまいました。そして記された次の一歩は、オーストラリアやアフリカでの“カーブレイカー”ラリーではなく、中高速のワインディングが続くヨーロッパのクラシックイベント、モナコをメインステージとするモンテカルロラリーでした。

 ただし、参戦初年度となった68年と、翌69年のワークスマシンによる本格参戦ではなく、トヨタ車を使ってエントリーするユーザーのサポートがメインという体制。使用マシンはトヨタ1600GT(RT55)で、ベースモデルとしてのパフォーマンスは決して低くなかったのですが、海外メーカーのワークスカーがひしめく中にあっては苦戦を余儀なくされてしまいました。

 翌69年も同じような展開に終わりましたが、70年代に入るとドライバーにレースでもお馴染みのビッグ・エルフォードらを起用。コロナ・マークⅡ1900GSSを投入した本格挑戦が始まるのです。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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