スポーティな走りと歴史を印象づける2つの提案
千葉県・幕張メッセで1月10〜12日に開催されている東京オートサロン2020の日産ブースには、2台のスカイラインのコンセプトカーが展示されていた。1台は、2019年の9月に登場したスカイライン史上最強の405馬力を誇る、スカイライン400Rをベースにした「スカイライン400R SPRINT CONCEPT」。もう1台は、プリンス時代を彷彿させるラグジュアリーにカスタマイズした「スカイライン DELUXE ADVANCED CONCEPT」だ。
400Rをよりレーシーに仕立てたスカイライン400R SPRINT CONCEPT。エンジンフードやフロントバンパーは、GT-Rをモチーフにオートサロンのために新しく起こしたデザインだ。
カナード風のフロントリップ、サイドスカート、リアバンパー、リアウイングなど、空力的な効果を狙った“R”らしいスタイリングを纏っている。
ボディカラーは、ホワイトシルバーをベースに、マットブラックのエアロと、アクセントにフローセントグリーンを配色。
去年のオートサロンに展示されたクローラー付きのジュークのコンセプトカーのカラーの流れを受け継いでいて、ボディのサイドには「20」の文字が……。
これは去年のジューク（19）に続くという意味と、2020年にかけたもの。さらにはベースが400Rなので、「20の二乗」（202）というシャレも効かせている。
シートもレカロ製をベースに、コンセプトカーに合わせたスペシャツカラーをチョイスする。
エンジン、サスペンションなどは400Rのままだが、タイヤは20インチ（400Rは19インチ）と大径化され、ホイールもオリジナルカラーの鍛造ホイールを装着。
ブレーキキャリパーの色もグリーンに。マフラーの出口もワンオフのモノに変わっていた。
GT-Rがスカイラインと枝分かれしてから、『走りのスカイライン』というイメージが薄れてしまった。しかし、昨年400Rが登場し、その購入者の3割近くが40代以下。最近のスカイラインとしては、若いユーザーに受け入れられたこともあり、『走りのスカイライン』復権を目指して投入された意欲作といっていいだろう。
サーフィンラインを彷彿させるカラーリング
もう一台の「スカイライン DELUXE ADVANCED CONCEPT」は、スカイラインをよりラグジュアリーにカスタマイズしたコンセプトモデル。
こちらは、プリンス時代のスカイラインのデラックスをモチーフにしている。プリンス・スカイラインのサイドのプレスラインのイメージを演出しつつ、伝統のサーフィンラインを強調させるようなラッピングが施されている。そのカラーリングはマットブランとマットシルバーというツートーンが上質感を高めている。
インテリアもクオリティにこだわった2トーンレザーで、品のよい内装に。
レーシーなスカイラインと歴史を感じさせる両極端のスカイラインを登場させてきた日産。どちらの路線も大事にしてもらえると、新しいスカイラインファンの獲得につながるのではないだろうか。