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ダイハツ「ハイゼット」をベースにしたユニークな3台のカスタマイズ車を提案【東京オートサロン2020】

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

ボルダリング、DJマシン、初音ミクと三車三様

 毎年、東京オートサロンにユニークなショーモデルを投入してくるダイハツ。今回の東京オートサロン2020では、3台のハイゼット トラックのコンセプトカーを出展。それぞれの特徴をピックアップしていこう。

 1台はアウトドア雑誌「ピークス」とコラボレーションしたことから生まれた「ハイゼットトラック PEAKS Ver.」だ。これは2007年の東京モーターショーに登場し、多くの人から市販化を望まれつつ、かなわなかった「マッドマスター」のオマージュも込められた一台。特徴的なのは、何といっても左パネルのボルダリング・ウォール。この左パネルだけ強化プラスチックでできていて、本当に人が登れるようになっている。

 車内はロールバーを組んでいて、ボルダリングやキャンプの機材を積めるような工夫も。親子でのオーバーランダー(クルマでキャンプをしながらの旅)がコンセプトで、ボルダリングに欠かせないクラッシュパッドを敷いて、車中泊できる仕掛けにもなっている。

 ルーフの上も、ルーフキャリアをつけてテントを張るような使い方も可能。ボルダリングは東京オリンピックでも注目されている競技でもあるので、そういう意味でもタイムリーで、なおかつ本気度が伝わってくるのが凄いところだ。

 2台目は「ハイゼット トラック DJ Ver.」。

 DJが自分でライブ会場まで走っていって、公園やクルマのイベント等で、DJをするというのがコンセプト。バニングやカミオンのデコトラなどで、ひと昔前に流行ったラメ塗装をあえて採用し、ダイハツ ジャンボのクォーターウインドを利用して、音楽に合わせて光が動く、グライコも! まさに、むかしのカーオーディオのイメージで、40~50代のクルマ好きには刺さるはず!?

 ウーハーもFOCALで組んだ本格派で、DJが荷台に乗れば、そのままパフォーマンスできる完成度を誇る。フロントバンパーのスピーカー風のLEDも、音楽と連動して光るので、注目度は満点。スピーカーを降ろして、モニターを倒せば、普通のトラックとして走行可能。

 インテリアはクロコダイル風のシートカバーからはじまり、ドリンクホルダーの代わりにマイクホルダー。ATのシフトノブもマイクのデザイン。ミラーボールまでついているのがニクイところ。ホンモノのDJから本気でオーダーが入っても不思議ではない仕上がりだ。

 興味深いのは、どちらも「クルマをこういう風にカスタムしましょう」という提案ではなく「このクルマを通じて、人が集まってくる」「みんなで楽しみましょう」と、していることだ。

 こういうクルマを、アフターパーツメーカーではなく、自動車メーカーが提案してくるところにダイハツの底力を感じてしまう。

 最後の1台は「ハイゼットトラック 初音ミク マルシェ Ver.」。

 昨年のオートサロンにも、荷台がそのまま店頭になる「マルシェ」というコンセプトカーがあったが、今年の「マルシェ Ver.」は、平ボディではなく屋根付きのバンボディにバージョンアップ。カラーリングもピンクと白の組み合わせから、初音ミクのイメージカラー、ブルーグリーンと白で内外装ともに統一。(ハンドルカバーとベルトのパッドは、このカラーのモノをインターネットで発売中)

 またリムジンバスの荷室のドアのように開閉する、スイングドア式カーゴの荷台になっているのも非常に残心。ホイールはVWバスのようなイメージのホイールもオシャレだ。

 どのハイゼットも、じつに自由な発想から生まれていて、軽トラックの新しい使い方が見えてきた。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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