クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CUSTOM
  • EV化で復活を遂げた30年前のトヨタ・スープラ、教材車として未来のエンジニアを育む
CUSTOM
share:

EV化で復活を遂げた30年前のトヨタ・スープラ、教材車として未来のエンジニアを育む

投稿日:

TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

EVコンバートで提案する新たなスポーツ

 千葉県の幕張メッセで開催された東京オートサロン2020。今回も学生たちの力作が数多く出展されていたが、なかでも異彩を放っていたクルマがある。派手なボディカラーと低い車高と反比例する、エコロジーでアカデミックなカスタムの中身に迫ってみたい。

 ラメが入ったグリーンパールの派手なボディカラーと、エアサスペンションによる地を這うようなスタイリング。会場内で見たトヨタA70型スープラは、一見するとバリバリのチューニングカーだが、後方から眺めるとマフラーがない違和感に気付く。

 それもそのはず、展示されたスープラは「福島県理工専門学校」の生徒らが手がけたEV(電気自動車)仕様なのである。製作のきっかけは、昨年に復活を遂げたGRスープラのデビューと、学校にこのスープラのボディが残っていたこと。デビューから30年以上が経つ3代目スープラ(A70型)は、エンジンもミッションも外された状態だったので、これからのエコロジーな時代に合わせてEV化。学生たちが電気自動車の仕組みを学ぶ教材として使おうと考えたのがきっかけだ。

 プロジェクトはエンジンに変わって心臓部となるモーターを探すことから始まり、『Motenergy』という北米メーカー製のキットを入手。エンジンルームには、モーターとバッテリーが搭載され、東京オートサロン展示時には駆動系こそ間に合っていないものの、ミッションとプロペラシャフトさえドッキングすれば、実際に走ることが可能な状態まで仕上げられていた。ココまで作り込むのに半年以上の期間を要したそうで、今後もテスト走行を含めて教材のひとつとして活用していくとのこと。そんな中身とギャップのある外観も合わせて紹介しよう。

 まず、足まわりは「エアレックス」のエアサスを装着。ローダウンされた足元へ、ホイールはワークの「シーカーMX(18インチ)」と、トーヨーの「プロクセス・スポーツ」のタイヤをセット。エアロパーツはフロントのみ「ボメックス」で、あえてリヤはスポイラーを装着せずにEVらしくスッキリした印象に。室内ではシルバーに塗装されたJAZのバケットシートが目を引く。

 他の学校は卒業制作として東京オートサロンを目指すことが多いが、コチラは1〜2年生が主体となって作業を行なったという。未来の名エンジニアを育成する生きた教材として、このスープラはさらに進化していくだろう。

すべて表示
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
著者一覧 >

 

 

 

 

 

 

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS