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今シーズンの活躍に期待! 5.8L・V8エンジンも存在する注目の「GRスープラ」レース用マシン5選

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了/Auto Messe Web編集部

スタンダード車ベースのスーパー耐久マシン

【トヨタGRスープラ S耐・ST1仕様】3L・直6エンジン

 昨年の販売開始以来、多くのプライベーターにも注目されているGRスープラですが、いざレースに使おうと思っても、なかなか参加できるクラスが多くありません。先に紹介したGT500は、メーカー系のサテライトチームにしか門戸が開かれていませんし、GT4も実際の納車は今年の秋以降のようです。

 となると現実的に参戦プランを考えるなら、ピレリ スーパー耐久シリーズ(S耐)ということになります。より厳密にいうなら排気量が3501㏄以上の車両が参加できるST1クラス参戦のマシン。GRスープラは3Lの直6エンジンを搭載していますが、ターボを装着しているので3501㏄以上のクラスに編入されることになるわけです。

 オートサロンのTGR(トヨタ・ガズー・レーシング)ブースでは、S耐/ST1仕様の競技車両が展示されていました。それが、今シーズンのS耐にROOKIE RACINGが投入する車両。詳細については発表されていませんでしたが、現車を確認したところ、改造範囲が厳しく制限されたS耐ならではの、いかにもツーリングカー的なパッケージと見受けました。

 

ディーラーチームが自ら仕立てたJAF-GT

【埼玉トヨペットGB GR Supra SUPER GT300仕様】5.4L・ V8エンジン

 SUPER GTのGT300クラスに参戦しているディーラーチーム、埼玉トヨペットが独自開発したJAF-GT仕様のGR Supra GT。昨年12月に富士スピードウェイでシェイクダウンテストを行い、各方面から関心が高まっていたレース用のGRスープラです。

 昨年まではマークXのマザーシャシー(MC)車両で参戦していた同チームですが、トヨペット店の旗艦モデルであるマークXの販売が終了したことを受け、新たな車両としてGRスープラが選ばれたのです。

 そのパッケージは強力で、フロントに搭載されているエンジンは3L・直6ツインスクロールターボに換えて、レクサスRC F GT3と同じ5.4L・V8を搭載しているのです。

 シェイクダウンを担当した吉田広樹選手は「低回転域からの太いトルクがとても頼もしかった」とコメントしていました。富士では表彰台も確保していたマークX MCに換えて投入されるだけに、それ以上の好成績が期待される埼玉トヨペットGB GR Supra GTですが、その活躍やいかに?

 

アメリカ大人気レース「NASCAR」参戦マシン

【Xfinity Supra NASCAR仕様】5.86L・V8エンジン

 今回紹介した5台の中で唯一、実戦経験のあるGRスープラがNASCAR Xfinity Supraです。その名の通りNASCARのエクスフィニティ・シリーズに参戦し、惜しくもタイトルは逃したものの、8勝をマークしたクリストファー・ベル選手がドライバーズランキング3位につけています。

 SUPER GT(S-GT)のGT500クラスにデビューするGR Supra SUPER GT GT500も、前述の通り、カーボンファイバー成形のモノコックにGRスープラがベースの(シルエットを似せた)カウルを被せた純レーシングカーですが、こちらもやはり純レーシングカー。

 ロールケージまで一体となったパイプ製のフレームに、358Cu-in(キュービック・インチ)=約5.86LのプッシュロッドV8エンジンを搭載しています。

 GT500に比べてローメカニズムと酷評する声も聴かれますが、700馬力以上を捻り出し、約1.5tのボディには十分なパフォーマンスを発揮します。

 アメリカで最も人気が高いレースのひとつNASCARに参戦するマシンだけに、今シーズンもその活躍が期待されます。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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