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「トヨタ86」に4ドアセダン登場か? 5人がゆったり乗れる「LS86」を世界初公開

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

86とカムリの美味しい部分を総取り

 広い室内でロングドラブも快適にこなすトヨタ・カムリと、言わずと知れた大人気スポーツカーであるトヨタ86。両車のいいところを組み合わせた夢のクルマを、東京オートサロンの常連である「NATS(日本自動車大学校)」の生徒が作り上げた。地球にも優しいという”4ドア版トヨタ86″の正体とは?

 走りの楽しさもスポーティな外観も、広い居住空間も経済性も捨てたくない。そんな贅沢なリクエストを叶えてくれるのが、NATSの学生たちが創り上げた『LS86』というネーミングが付けられた1台だ。

 ベース車両は、トヨタの中型セダンである9代目カムリ(AVV50型)。広い室内は大柄な人が多い北米でも高く評価されているカムリに、生粋のスポーツモデルである86の外装を違和感なくドッキング。家族5人での長距離ドライブを余裕でこなしながら、見た目のスポーティさはカムリをはるかに凌駕している。

 そして、エンジンは2.5リッターのハイブリッド(直4+モーター)という、大人5人がゆったり乗れて燃費も優れる、まさに夢のようなスポーティセダンを完成させた。

 

大掛かりな手術で違和感をなくす

 苦労した点を聞いてみると、まずはエクステリアだが、前後バンパーの幅は意外なことに、カムリと86とはそれほど大きなサイズの差がなかったという。ただし長さはかなり異なるため、フェンダーとのラインを自然に見せるのが大変だったそうだ。

 また、フェンダーアーチの膨らみやボンネットの幅にも差異があり、ドアとの接合部や給油口まわりの処理も相当な知恵を絞ったとか。なお、ヘッドライト/テールランプ/サイドマーカー/バックフォグは、「ヴァレンティ」の製品に交換することで高級スポーツを演出した。

  続いてインテリア。ルーフの中央にはフリップダウンのモニターを装着。リヤシートを快適なエンターテイメント空間へと変貌させた。また、ドライバーはスポーティさを味わえるよう、ステアリングは86純正に交換。シートも”86GR”純正のレカロSR3に変更するなど、乗員の移動が楽しくなる配慮も添えられていた。

 もちろん86ならではのリヤシートの狭さは、カムリをベースにすることで解消。頭上および足もとのスペースには、86と比較にならないほどの余裕がある。

 さらに、足まわりもテインの車高調でローダウンさせて、ワインディングや高速道路では運転する楽しさも存分に味わうことが可能。今後は公認車検を取得して、3月に学校の恒例行事となった「テストランキャラバン」にて、一般道の走行を目指すという。世界にひとつの傑作が、街中で見かける日は近いかもしれない。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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