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「ジムニー」と「S660」が合体したら? 魔改造なトランスフォーム・オフロード車「S-ROCK」

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

「スポーツ4×4」をコンセプトに製作

 スポーツカーの楽しさとオープンカーの気持ちよさ、4WD車の力強さを1台のクルマで味わう。そんな贅沢な車両が、東京オートサロン2020に登場した「S-ROCK(エスロック)」だ。スズキのジムニーとホンダのS660を合体させたというクルマは、「埼玉自動車大学校」の学生たちが作り上げた注目作。 見た目のインパクトに目を奪われがちだが、機能面も妥協なく作り込まれていた。

 オープンスポーツモデルのS660とオフロード走行を得意とするジムニー。まさに正反対のキャラクターを持つ2台の軽自動車を、いずれの魅力もスポイルすることなく合体させてしまったら……。「S-ROCK」は、そんな両車をかけ合わせ、「スポーツ/オープンエア/オフロードという、3つの楽しさが同時に味わえるクルマ」というコンセプトを元に作り上げた1台だ。

 3代目ジムニー(JB23)のフレームにS660のボディを載せた、といえばカンタンに聞こえるかもしれない。だが、見た目だけでなく、最終目標は公認車検を取得し、公道を実際に走らせること。機能面や安全面も手を抜くワケにはいかない。

 例えば、悪路走行を想定した足まわりはダンパーをツイン化して強化。さらにジムニー用パーツで有名なショップ「斎藤商店」が手掛けたスプリングを使って3インチほど車高を上げた。組み合わせるタイヤは、外径880mmのブロックパターンを採用したBFグッドリッチ製。そんな巨大なタイヤを支えるホイールは、ハードなオフロード走行でもタイヤのビート(ホイールリムとの接点)が外れにくいリムビードロック仕様の「ラグナ・デザートレーサー」をチョイスした。

 当然ながら必要に応じてシャシーは補強を施し、バンパーは耐久性を優先して鉄素材を使用。車体上部はS660のフォルムを活かしながらも、より力強いイメージを与えている。また、パワートレインも大変更し、エンジンはミッドシップからフロントに移設。駆動方式も当然ながら4WD方式を採用した。

 

エンジンはミッドシップからフロントへ移設

 そして、インテリアも遊び心たっぷり。コクピットはS660の開放感をそのままに、フロアに滑り止め加工が施された鉄板を貼り付け、パッセンジャー用のアシストグリップを装着。パイプドアや乗降をサポートするステップなどなど、操作性や利便性に対するコダワリも相当なレベルだ。

 また、エンジンが載っていた車体後方のスペースは、トランク化しスペアタイヤなどを搭載できるようにし、リヤには、バイクなどを搭載するヒッチキャリアと車体を繋げられるようにヒッチメンバーを装備。そこに搭載されたバイクも、ホンダのビジネスバイク「カブ」をオフロード仕様にカスタムするという凝りよう。全身からみなぎるコダワリは脱帽ものだった。

 狙っていたというコンパクトカー部門のアワードこそ惜しくも逃したものの、製作に携わった生徒たちの情熱は十分すぎるほど来場者に伝わり、絶えず人だかりをみせた埼玉自動車大学校の「S-ROCK」。ぜひ、公認車検を取って公道を疾走するシーンを見てみたいものだ。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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