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幻のスーパーカーもあった「1960年代に登場した国産スポーツカー5選」

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: いすゞ、マツダ、Auto Messe Web編集部

・いすゞベレット1600MX

 1960年代、各メーカーがけっこう本気でスーパースポーツの開発に取り組んでいた。残念ながら市販化はかなわなかったが、いすゞは1969年の東京モーターショーにミッドシップのスポーツカー「ベレット1600MX」を展示。

 エンジンは117クーペやベレット1600GT-Rなどにも積まれた、いすゞのDOHCエンジン=G161W(120馬力)を縦置きに搭載。オルガン式ペダルを採用した。

 ベースはレーシングカーの「いすゞR6」で、スタイルングはイタリアのカロッツェリア・ギアが担当。市販化をめざした改良プロトタイプが1970年の東京モーターショーにも登場したが、マスキー法などの影響もあり幻となってしまった。これが出ていれば、国産車のスーパーカーの歴史も大きく変わったはずだった……。

・マツダRX500

 もう一台は、1968年に上掲のコスモスポーツの後継車として開発をはじめた、マツダRX500。カウンタックに先駆け、バタフライウィングドア(ガルウイング)を採用した先進的なミッドシップスポーツで、デザインはマツダの福田成徳さんによるもの。

 見た目だけではなく、風洞実験を繰り返して、空力性能を追求していて、エンジンはもちろんロータリーの10A型。それをレース用にチューニングし、250馬力までパワーアップし、ミッドシップに搭載。最高速度は250km/hという想定で、当時としてはビッグサイズの15インチアルミホイールの中には、レーシングカーでも珍しかった4ポットキャリパー&4輪ベンチレーテッド・ディスクのブレーキシステムが収まっていた。

 最終的にはボディが大き過ぎるなどの理由で市販車が見送られてしまったが、これもとっても惜しい一台。むかし、トミカでRX500のミニカーがあったのだが、今年マツダ100周年を記念して、復刻・再販して欲しいものだ。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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