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ドライビングシューズが「運転に適している理由」スニーカーとの違いや特徴を聞いてみた

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

ソール部分に大きな秘密あり

 野球やサッカーといったスポーツに専用シューズ(スパイク)があるのと同じように、クルマの運転に適した靴(ドライビングシューズ)が存在する。そこでドライビングシューズのほか、モータースポーツとより目的が明確なレーシングシューズを例に、スニーカーとの違いやメリットを解説していく。

 千葉県の幕張メッセで開催された東京オートサロン2020。シューズやグローブを筆頭に多数のレーシングギヤを展示した「エンパイヤ自動車」のブースは、連日たくさんのギャラリーが訪れ商品を手に取り熱心に眺めていた。なかでも注目度を集めていたのはシューズだ。

 ドライビングには、アクセル・ブレーキ・クラッチと両足を使った繊細なペダル操作が求められ、スピード域が高くなればなるほど重要性は増していく。サーキットでスポーツ走行を楽しむ人はもちろんのこと、日常で高速道路やワインディングを走行する人がドライビングシューズを使うケースは少なくない。今回、イタリアのモータースポーツ関連用品ブランド「スパルコ」の日本正規輸入元である、エンパイヤ自動車の三枝さん正しい選び方や、それぞれの特長などを教えてもらった。

 運転用の”靴”は大きくふたつに分けられる。日常の運転からサーキット走行まで使える「ドライビングシューズ」と、レースの安全規格を満たした「レーシングシューズ」だ。はじめにドライビングシューズの特徴から説明しよう。

 まず、一般的なスニーカーと大きく異なる点がある。「ソール(靴底)」の厚みだ。ペダルのフィーリングをダイレクトに感じ、かつ細かく正確な操作ができるよう、スニーカーよりもソールは非常に薄く作られているのがポイント。全体のシルエットは変わらないが、履き比べれば違いと運転のしやすさはまったく違うという。

 また、かかと部分にも工夫が見られ、スニーカーは地面からの衝撃を減らすために出っ張った形状になっているが、ドライビングシューズは丸くすることでペダル間の足の移動や操作をスムーズにできるようになっている。かかとにはグリップする形状のゴム素材を採用していたり、ヒモを通すホールなどデザイン面で凝ったタイプが多いのも特徴だ。

FIA規定のレーシングシューズは難燃性素材を採用

 続いてレーシングシューズ。公式レースで使うには「FIA(国際自動車連盟)」の定める規定をクリアする必要があり、最大の違いは本体は当然としてヒモまで難燃性の素材を使っていること。万が一、車両火災が起きたときにドライバーの命やケガを最小限にとどめるための工夫が盛り込まれている。

 また、ソールの作りも街歩きどころかパドックさえ歩くことも想定されておらず、繊細なペダル操作ができるようにドライビングシューズよりもさらに薄くダイレクト感を追求。しかし、薄いということはソールが減りやすいことを意味し、操作のラフさやペダルに付いている滑り止めの形状、走行時間の長さによっては1回のレースで穴が開くこともあるという。

 レーシングギアを扱うメーカーは、運転に最適なシューズをラインアップしており、スパルコに関しても「予算」「走る頻度」「レースのカテゴリー」に合わせて最適なモデルをチョイスできる。素材による違いは、薄さ・軽さ・フィットしやすさの順に、カンガルー革・牛革・スエードという3素材がスタンダードだとか。形状に関しては足首を確実に保護しつつ動きの自由度が高いことから、現在はミドルカットが人気のようだ。なお、スパルコではレーシングシューズの色や刺繍などをオーダーできるカスタムメイドも存在している。

 最後に「左だけソールが減りやすい」と悩む人に。無意識にクラッチペダルに足を置いているドライバーは、ペダルを踏み込んでいなくても長時間に渡ってクルマの振動がソールに伝わり、知らないうちにすり減ってしまっているケースが多いそうだ。左足の靴底が摩耗しやすい人は、意識して左足をフットレストに乗せるよう心がけてみよう。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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