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シニア夫婦に最適なキャンピングカーとは? プロが教える5つのポイント

運転しやすいサイズと就寝スペースとのバランス

 私の知人にもいますよ、自遊人のご夫婦。定年退職後、お子さんも巣立って、ある意味で人生のお勤めをやり遂げて、毎日が日曜日。普通だったら、そのまま熟成して「アナタ百まで、ワシャ九十九まで」と枯れていくところが、「いやいやまだまだ!」とキャンピングカーで日本全国、夫婦で自由きままなクルマを満喫するというもの。本当に羨ましいです。今回は、快適なクルマ旅の為にも見逃せない「シニア夫婦に最適なキャンピングカー」のポイントをご説明いたしましょう。

ゆとりのある2名就寝がキモ

 やはり快適なクルマ旅には、安眠が重要。一度出かけたら、クルマ旅が楽しくて、いつ帰るか分からないなんてご夫婦もいらっしゃいます。一日や二日ならともかく、ある程度の連泊では快適でぐっすり寝られないといけません。

 不眠でなくても、ちょっとした疲れが運転にも悪影響となり、命にもかかわる問題にもなります。仲の良いご夫婦ならば「軽キャン(軽自動車ベースのキャンピングカー)」でも大丈夫ですが、”ある程度”の距離感が必要な場合は、ベッドにも”ある程度”の余裕が必要。つまり、キャンピングカーもゆとりのある車内スペースが必要になってきます。なかには、パートナーのイビキや歯ぎしり、寝相が駄目で、別々の離れたベッドが必要なご夫婦もいるかもしれません。

 それから、忘れてはいけないのが荷物。旅の期間によっては荷物が多くなると、キャンピングカーの車内スペースが取られ、寝るスペースがなくなる場合もあるので、それらの状況も考慮して二人が快適に寝られる様なスペースを確保したキャンピングカーを選びたいところでしょう。

 

運転しやすい車体サイズ

 では、広々とした車内のキャンピングカーが良いのかとなりますが、「広々=大きいキャンピングカー」となると、これまた問題が出てきます。特に街中での取り回しや、駐車場で苦労しがち。私もクルマの運転が好きでしたが、最近、微妙に運転が下手になってきた様な気がします。以前は一発で決められた駐車も、何回かやり直しをしないと駄目な事もあります。また狭い道も良く言えば慎重に、悪く言えば臆病になってきました。

 となると、御殿の様な大きなキャンピングカーでは厳しいところ。特に車体サイズで気にしたいのが、全高と全長。特に高さ方向は、もともと人間の視野が狭いので標識・看板・軒先や木々の枝など、気を付けなければなりません。全長に関しても、後輪からのオーバーハングが長いキャンピングカーは、ハンドルを切った時の横擦りや、坂道や縁石などのケツ擦りなどにも要注意。これも慣れですが、前述の通り、加齢で車両感覚が鈍ってくるような気がしますから、自分の運転レベルで運転しやすい車体サイズのキャンピングカーの検討が必要でしょう。

 となれば、駐車場にも困らず、ボディサイズも大きすぎない「バンコン(ハイエースやキャラバンから5ナンバーサイズのバネットやライトエースなど)」がオススメかもしれません。

あると便利な装備やオプション

 オススメの装備は、ご夫婦のライフスタイルなどによって変わってきますが、走る家であるキャンピングカーは、やはり「衣食住」に関係する装備になってきます。まず、「衣」は前述にもある荷物。衣装持ちの方は、マルチルームの中にハンガーをぶら下げられる様な装備が必要かもしれません。

 続いて「食」については、車内で料理する事が多い場合は、調理スペースが必要なうえ、食器や調理器具の収納も確保しないといけません。そして「住」は、前述のベッド以外にも、くつろぐ為のテーブルやイスのレイアウトなども重要になってきます。

 寝る時に使っているテーブルやイスをドタバタと展開してベッドにするのは、スペース効率は良いものの、すぐに寝たいときなどは、やはりベッドは別にあった方がいいでしょう。また、車内でもテレビを楽しみたい人は、チューナーやアンテナなども必要になってきます。この他にも、ちょっとした事で便利なアウトドアグッズや、100均ショップなどで売っている小物なども、普段から探しては使ってみると、快適なクルマ旅ライフに役立ちますよ。

 

購入後のおすすめな使用方法

 キャンピングカーを購入したら、あとは楽しむだけ。マナーを守って車中泊できる場所さえ確保できれば、安価で気楽な宿泊が可能。弱体化するローカル交通のエリアでも、道さえあれば大概の所は行けるという機動力まで手に入ります。

 キャンピングカーは文字通りに「キャンピング」とありますが、キャンプに限らず、色々な遊びに出かけることが可能。花見、祭り、花火にスポーツ、コンサートに食の探訪、温泉巡りや紅葉に雪見と、自由気ままなクルマ旅ができるのもキャンピングカーならではのメリットです。

 さらに、キャンピングカーは、移動するもの、遊ぶものというだけではありません。なんと、コミュニケーションするものにもなります。旅の先々でのキャンピングカー乗りとの出会いも醍醐味のひとつ。食事やルート巡りなどの情報を共有するための、新しい友達作りも悪くありません。 これまでの人生で知り合った友達とは、また違った友人。キャンピングカーに乗っていなかったら、知り合いにはならなかっただろうという様な素敵な出逢いもあります。

 

ワンコ・ニャンコとのクルマ旅

 子供が巣立ち、ペットを飼われているご夫婦も多いことでしょう。愛犬や愛猫がいると旅行もできないという問題の解決にも一役買います。よく、キャンピングカーに乗っている方は、ペットの所有率が高い(一般家庭の3倍)と言われてます。しかし、それは逆で、ペットとの旅行となると必然的にキャンピングカーになってしまうというのが実情の様です。

 キャンピングカー内にペットの居場所さえ確保できれば、旅先でも安心。ペットお断りの場所や宿泊施設でも、キャンピングカーの旅ならば全く問題ありません。二人だけでは寂しいというご夫婦でも、ペットが新しい家族となり、それは楽しく思い出深いクルマ旅になるようです。

 実際に「キャンピングカー白書2018」(日本RV協会)のデータでも、キャンピングカーの購入目的で「夫婦2人で旅行を楽しむため」が54.5%でトップ。2位は「ペット連れの旅行に最適と判断」39.7%となっています。人生100年時代、リタイヤして時間があり、まだまだ元気という方には、キャンピングカーで「人生二毛作」「一日2倍計画」、これからも充実した“濃い”人生を送られては如何でしょう。

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